窓際さんのお勉強な日々

こそっと論文読んで、こそっとメモ

今日は近畿大学studentCASPに参加してきました

お久しぶりです。更新さぼりすぎですね(;^ω^)

 

先週土曜日の第3回奈良コクランレビューワークショップ(たぶん薬剤師の参加者僕だけ)も、先週日曜日の岡山CASPの報告もまだですが、先に本日開催された近畿大学studentCASPの報告をしたいと思います。

 

なお、今日のCASPはワタクシのチューターデビューだったりします(;^ω^)

 

SGLT2阻害薬の有効性(全死亡、心血管死)を評価したシステマティックレビューの論文です。

まずはお題論文をば

Effects of SGLT-2 inhibitors on mortality and cardiovascular events: a comprehensive meta-analysis of randomized controlled trials | SpringerLink

全文URLはこち

http://www.siditalia.it/images/Effects_of_SGLT-2.pdf

事前登録情報は以下のリンク

SGLT2 inhibitors and mortality in type 2 diabetes

 

P:2型糖尿病患者

I:SGLT2阻害薬(ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、カナグリフロジン、イプラグリフロジン、ertugliflozin)

C:プラセボもしくはほかの治療薬

O:(主要)全死亡 MH-OR 0.70 [0.59-0.83](EMPAREGが78%のウエイトを占める)

     心血管死(本文中では副次に変更されている)MH-OR 0.43 [0.36-0.53] 

 (副次)心筋梗塞 MH-OR [95 % CI] 0.77 [0.63–0.94]

     脳卒中 MH-OR [95 % CI] 1.09 [0.86–1.38]

 (計画にはあるけど報告からは消滅)骨折、ケトアシドーシス

T(研究期間):治療期間が12週間以上

T(試験のデザイン):randomized trials

 

検索されたデータベース、サイト:MEDLINE(2015.11.16まで)、FDA、EMA、clinicaltrials.gov

検索キーワード:dapagliflozin, empagliflozin, canagliflozin, ipragliflozin, ertugliflozin

言語:英語のみ

参考文献、専門家への連絡:記載なし

2人の研究者が独立してデータ抽出、意見対立時は第三者が介入

個々の試験はthe Cochrane Collaboration’s tool for assessing risk of biasで評価

(結果はTable1、randomized trialsを集めたはずなのに×がいくつか散見されるというw。ランダム化や盲検がダメとなっている文献も見てみると二重盲検のRCTとしっかり記載されているというザル評価)

統合された結果はなぜかフォレストプロット(Fig3)に載っていなくて、サブグループ解析(Fig4)に載っている謎仕様。

異質性はグラフにはなく、本文中に「For the principal endpoint, I2 was<0.001, suggesting no relevant heterogeneity」とだけ記載されている謎。

 

謎がたくさんあって結果の解釈が難しいけど、とりあえずEMPAREG OUTCOME読んだらいいんじゃないかな?異質性少ないのと、結果示されてないけどEMPAREG OUTCOME除いても結果の傾向は同じらしいので、効果の大きさはともかく死亡は減る方向で。

なお、事前に計画された有害事象の評価は消えているので何とも言えません。

 

結論としては、EMPAREG OUTCOME読めってことですね。(;^ω^)

Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes. - PubMed - NCBI