窓際さんのお勉強な日々

こそっと論文読んで、こそっとメモ

7/29居酒屋抄読会の開催報告

7/29に梅田で居酒屋抄読会を開催してきました。

 

開催の告知は以下からお願いします。

7/29(土) 第5回居酒屋抄読会ツイキャス配信のご案内 - pharm-niiyan’s diary

7/29(土) 第5回居酒屋抄読会ツイキャス配信のご案内 - リンコ's ジャーナル

【告知】7月29日土曜日に居酒屋抄読会を開催します! - 窓際さんのお勉強な日々

 

録音は以下から聞くことができます。

twitcasting.tv

はい、既に何回やったかまともに数えていません。

なお、今月8/26に予定していた居酒屋抄読会in名古屋は参加者が集まらなかったため延期することになりました。

お声がけさせていただいた皆様、大変申し訳ありません。

 

みやQ先生から、参加報告をいただいております。宜しければご一読ください。

平成29年7月29日 居酒屋抄読会参加報告 - 「くすりや」の「現場」

更に今回はファーマトリビューンさんがきてくださいましたので、参加報告記事も貼っておきます。

t.co

お題論文はコチラ

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa052771

P:症候性膝関節炎のある患者
E:グルコサミン1500mg、コンドロイチン1200mg、グルコサミン+コンドロイチン、セレコキシブ200mg
C:プラセボ
O:24週後の膝関節痛20%減少(臨床的に優位ととれる改善は15%程度)

 今回は5アームという多岐にわたる比較試験の論文です。アメリカの公的機関がバックについた試験だけに批判的吟味でも大きな問題ない感じでしょうか。(もともと20%は脱落する前提の試験なので脱落率については議論の余地があるかもしれません)

 結果はプラセボでも60%の患者さんが改善、一番改善者の割合が多いセレコキシブで70%とプラセボ群の反応率の良さが目につきます。(グルコサミン、コンドロイチン、両者の併用は有意差が出ませんでした)

 もうプラセボフリスクでも、栄養ドリンクでもなんでも)でよくね?みたいな感じになりました。こんなご意見もいただきました。

f:id:zuratomo4:20170810001928p:plainいっつん@aitataitachan
単に活動量が増えて筋力が増強した場合に痛みが減少するケースもあるので、痛みがとれた要因として、下肢筋力や柔軟性、活動量などの変化についても気になりますね。

 

 患者さんへの適用を考えるなら、情報を集めることから始める必要があると思います。(体重、運動量、日々の生活への痛みの影響、現在の受診・服用歴など)太ってるなら痩せるってのが膝への負担軽減には有益でしょうから(;´・ω・)

 

 高いプラセボ反応率によって、海外で市販されている薬(例:Fluoxetine、Lurasidoneなど)であっても治験でこける案件が多い精神科ではプラセボ効果は笑えないほどの効果を示します。

 プラセボ効果そのものを測定することは極めて難しいのですが、プラセボ効果と未治療を比較した試験を集めたコクランレビューがありますので紹介します。

Placebo interventions for all clinical conditions | Cochrane

全文はこちらから

http://www.rima.org/web/medline_pdf/placebointerventions.pdf

P:健康上の問題を抱えた人

E:プラセボ

C:未治療(プラセボも受け取らない)

O:主観・客観的な医療状況の評価(二値的、連続変数的)

 

 結果のSoF表より抜粋

All clinical conditions (binary outcomes) RR 0.93 (0.88 to 0.99)  No. of participants (studies) :6041 (44)  Quality of the evidence:Moderate

All clinical conditions (continuous outcomes) SMD -0.23 (-0.28 to - 0.17) No. of participants (studies) :10,525 (158) Quality of the evidence:Moderate

 

Quality of the evidenceがModerateと割と高い確信性をもって有意差が出ています。プラセボ効果、本当に侮れない(;´・ω・)

 

以上が居酒屋抄読会の開催報告と追加説明になります。

報告が遅れましてすみません。