窓際さんのお勉強な日々

こそっと論文読んで、こそっとメモ

広島までEBMな旅をしてきました① 第1回居酒屋抄読会in広島(2018/01/06)

 仕事終わりに電車に飛び乗り、広島へ。

翌日から始まるEBM合宿に備え前入りしてきました。

で、20時半には着けてしまうわけですよ。

ならばと呼びかけて、居酒屋抄読会をしてきました~。

 

翌日、講師としての任務を控えているにもかかわらず、くわばら先生と平社員先生が駆けつけてくださいました‼

お二人ともありがとうございます‼

 

録音はこちらから

twitcasting.tv

 

けいしゅけ先生がまとめていただきました~!

ありがとうございます

居酒屋抄読会in広島 聴いてみた~脳血管疾患の女性のカルシウム補給と認知症のリスク~ | けいしゅけの論文まとめ帖

 

で、お題論文はコチラ

Calcium supplementation and risk of dementia in women with cerebrovascular disease. - PubMed - NCBI

 

では、内容を見ていきましょう。

P:70~92歳の認知症のない女性700人(Sweden Population Registryより生年を指定して抽出された)

I:カルシウムサプリメントを摂取する

C:カルシウムサプリメントを摂取しない

O:DSM-Ⅲ-Rで診断された認知症の発症

 

DSM-Ⅲ-Rとはアメリカ精神医学会による診断基準。現行がDSM-Ⅴなので古い基準ではある。以下は日本神経学会より参考資料

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_02.pdf

 

*指定された生年と組み入れ人数

1908年4名、1914年27名、1918年137名、1922年193名、1930年339名

 

結果は

認知症(全タイプ):オッズ比(OR)2.1、95%信頼区間(95%CI)1.01~4.37

脳卒中関連(VaD と mixed AD/VaD):OR4.4、95%CI 1.54~12.61

アルツハイマー認知症(AD):OR0.66、95%CI 0.19~2.25

 

認知症の発症が増えるかもという結果でした。

 

 ただ、スウェーデン発の観察研究としては参加人数が少なく、アウトカムの発生数もそれにしてがって少なくなるため、わずかな差が大きく見えてしまっているだけのような気がします。

 また、補正についてもコントロールしたとはありますが、補正内容への言及はなくTable1の内容で補正していたとしても不十分さが残ります。(既往歴が脳卒中しかないなど)

 会での結論は交絡を見ているだけではないか?探索的な研究だったのではないか?という感じになりました。

 

 参加人数3人で、食べる時間がうまく取れず、なかなか鳥鍋が食べられないトラブルもありましたが、楽しい時間を過ごせたと思います。

 翌日の準備が大変な最中、参加していただきました両先生にこの場を借りて感謝申し上げます。

ありがとうございました‼