広島までEBMな旅をしてきました③ EBM合宿最終日、SR阿鼻叫喚編
前日の泡盛からのパリピナイトで死にかけたまま、二日目は朝8:30からチュータートレーニングですよ!
どうもこのお店はのりまき先生の行きつけらしいと聞き及びましたが、裏をとることはできませんでした。ドラ先生にお詫びします。すみませんでした。
はい、前夜の影響でチュータートレーニングに遅刻しました(;^ω^)
内容を簡単にまとめると、教えるのではなく、議論を活発にできるように調整するのがチューターのお仕事だということです。
安定のつかみである桑原先生のアイスブレイクは省略。
SRの読み方のレクチャーが、平社員先生から(内容は割愛)
で、グループワークへ
シナリオはこんな感じ
「脳梗塞で倒れたことのある夫が薬をきちんと飲んでないようで心配と相談された。ワークショップで知った論文を紹介しよう」
お題論文はコチラ
運動療法による認知機能の低下抑制効果を見たシステマティックレビュー(SR)ですね。
内容は
P:MCIもしくは認知機能の落ちた60歳以上の人(認知症は除外)
I:運動(3METs以上)
C:通常ケア、ストレッチ、軽度の運動(33METs未満)
O:認知症の発生率、MCIの発生率、臨床的に有意な認知低下の発生率、左記3つの複合
集めた試験:RCT(介入期間1年以上)→5件
検索エンジン:PubMed、CENTRAL、PsychInfo/PsychArticles
検索は1名、スクリーニングは2名で実施。評価は記載なし。
言語:制限なし
参考文献、専門家コンタクト:記載なし(=していない)
事前登録情報(SRも実施前に計画の登録が求められる)
https://www.crd.york.ac.uk/prospero/display_record.php?RecordID=52690
論文に記載されている登録番号ではヒットしない不思議(CRD42016052690)
結果
認知症 RR0.56 95%CI:0.23~1.36 I²=63.1 3試験
MCI RR1.12 95%CI:0.81~1.55 統合不可 1試験
認知機能低下 RR0.90 95%CI:0.42~1.95 I²=30.4 2試験
複合 RR0.74 95%CI:0.43~1.26 I²=57.1
太極拳の研究がとびぬけた有効性を示したため、認知症のRRが低く出た模様。
適用:シナリオから想定できる臨床疑問と論文がかみ合っておらず、「こんな論文知ってる」という知識のひけらかしになっている。きちんと疑問にあった論文を探そう!
藤原先生より
「SRの結果を適用するときは、SRを作成する過程で失われる情報に目を向けよう」
と、ありがたい言葉をいただきましたので、ここでシェアしておきます。
前夜の疲れで、覇気のなくなった会場をみて思ったこと(個人の感想)
「合宿はペース配分が大事」
検索セッション終了後、とーます先生と新幹線で広島を離脱しました。
新大阪で牡蠣を食べて帰宅。
今回のEBMな旅はこれで終了です。
おまけ
まだまだワークショップはたくさん企画されていますので、参加の検討をお願いします‼
第5回 CASP 関西 ワークショップ(テーマは医療技術評価)
◎ 日時:H30年2月25日(日) 午後13時開始 午後5時20分終了予定 (昼食:各自持参)
◎ 場所:大阪大学中之島センター 703号室 (〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53)
◎ 申し込み先:casp.kansai.ws@gmail.com
メールタイトル:「参加希望@第5回CASP関西」、本文:“所属(所属大学)、氏名 ”
◎ 参加費用:3000円 (学生1500円)