JJCLIP_#65 膝の痛みで困っている人にはサプリメントも有用なのでしょうか?を予習してみた
<はじめに>
CASPで岡山にいるためリアルタイム視聴ができるか怪しいので記事にしてみた
<シナリオとお題論文>
・シナリオ諸々
・お題論文
PMID: 25589511
・事前登録情報
<シナリオのPECO立て>
P:60歳前後(?)の変形性膝関節症(?)の女性常連客
今回はECOをいろいろ変えてみる
①E:コンドロイチン+グルコサミン
C:なし
O:痛み
②E:コンドロイチン+グルコサミン
C:NSAIDs
O:痛み、有害事象
③E:買い物量の制限
C:今のまま
O:痛み、生活満足度(QOL)
<JJCLIPワークシートに沿って読んでみる>
ランダム化:タイトルに「randomised」
P:40歳以上の変形性膝関節症の患者、 Kellgren and Lawrence 分類2~3(軽度~中等度)、WOMAC301点以上(中等度~重度の痛み)
E:Droglican® | Bioibérica(コンドロイチン400㎎+グルコサミン500㎎) 1回2カプセル
1日3回毎食後
C:CELEBREX(セレコキシブ)200mg 1回1カプセル朝食後+プラセボ1日5カプセル(朝1、昼2、夕2)
O:(主)WOMAC痛みサブスケール(非劣性マージン:40)
(副)WOMAC剛性サブスケール、WOMAC機能サブスケール、VAS、OMERACT-OARSI(レスポンダーの割合)、関節腫脹の有無の割合、関節滲出液の存在率、レスキュー薬の消費量(アセトアミノフェン錠500 mgの錠数、MAX6錠/日)、疾患活動性に関する患者の総合評価(PGA)および治験責任医師の総合評価(IGA)、患者および治験責任医師による治療に対する反応の総合評価、EQ-5D、有害事象、バイオマーカー
T:6ヶ月
※ Kellgren and Lawrence grades(X線画像での分類)
Radiological assessment of osteo-arthrosis. - PubMed - NCBI
アウトカムは明確?:1つなので明確
真のアウトカム?:とりあえず真でよさそう
(真ということにしないとここで終わってしまう)
(真か代用かを考えるときこのアウトカム以外すべて一緒だった時、介入する意味がありそうか?で判断するとわかりやすいかも)
ブラインドは?:タイトルに「double-blind」
(本文38ページもしくは登録情報では参加者、ケア提供者、研究者、アウトカム評価機関)
ITT?:per protocol、FAS(FASの解析結果はsupplementary)
追跡率:86.1%(522/606)
Fig1:プロトコル違反に上下で「コンプライアンス不良」がカウントされているのはなんでだろう?
患者背景:Table1、大きな偏りはなさそう
結果:(主)E群-185.7、C群-186.8 差-1.1(95%CI:-22.0~19.8)で非劣性
有害事象はE:51.0%、C:50.5%と差なし
(心血管イベントまたは胃腸イベントの既往歴は予め除外されている)
<まとめ>
先行研究(GAIT、プラセボ対照)では有意差なし。
どうでもいいけど、プラセボに有意差をつけられなかった介入と非劣性だったセレコキシブの存在価値ってあるの?って方に興味が湧いたという(;^ω^)
有害事象(詳細な内容不明)も効果も大差のない結果に、積極的にコンドロイチン+グルコサミンをすすめるのはちょっと。
シナリオでは効果を実感されており、コストに対する言及もないので続けても問題はなさそうだが。
本人の満足度的にもお店の売上的にも「整形でよく使われる薬と効果では劣らないって研究ありました~」ってことで販売続行!
(医療用と市販の質の差は気にする方がよいかもしれないが)
<視聴後追記>
Fig2のHがアセトアミノフェンの1月の使用量です。
開始時点から4か月間はコンドロイチン+グルコサミン群で使用量が有意に多い結果になってます。
4ヶ月以降は有意差なくなるんですね(コンドロイチン+グルコサミン群でレスキューが多いのは一貫しているが)