ネットワークメタ解析チェックリスト改訂への道⑩~SGLT2阻害薬、GLP1アゴニスト、DPP4阻害薬の全原因死亡の比較~
<急ぐ人向け結論>
SGLT2阻害薬サイコー!(そりゃあ、そういう論文集めてるからね)
<この論文を選択した理由>
ツイッターのTLで見かけて読んだものの、まだPMIDが決まってなかったので放置していた論文。(内容的にも大した価値はないし)
たまたまTLで再度見かけたので、PMIDを確認出来たので記事化することにした。
<お題論文>
PMID: 29677303
評価シートはコチラ
Dropbox - ネットワークメタ解析チェックシートver7.pdf
<リサーチクエスチョン>
P:2型糖尿病
I/C:SGLT2阻害薬、GLP1アゴニスト、DPP4阻害薬
O:primary→全死亡
secondary→心血管死、心不全、心筋梗塞(全、非致死性)、不安定狭心症、脳卒中(全、非致死性)、有害事象(全、重篤、試験中断に至ったもの)、低血糖(minor、major)、(class-specific SGLT2阻害薬=尿路感染症、GLP1アゴニストとDPP4阻害薬=急性膵炎)
※アブストラクトより抜粋。赤字は本文より追加
⇒実際に集まったのは、50代(DPP4阻害薬群がやや若い)、BMI29超、男性比率50%超、Hba1c 8%強
<システマティックレビュー(SR)の評価>
データベース:MEDLINE、Embase、Cochrane library
検索語:不明(eMETHOD1)
検索期間:~2017.10.11
元論文:RCT、risk of biasはしたが結果はeFig1,Etable4のため確認できず
評価者:二者独立→第三者介入
出版:英語のみ。reference OK 、専門家連絡なし、Egger testでバイアスが一部にみられる
異質性:事前登録なし。 PとOの統合は問題ないと思われる
<ネットワークメタ解析(NMA)の評価>
ネットワーク図:総合のものが一つ示されている
閉じた環:すべてに有
一致性:非一致無し
資金源、COIの開示:OK
<結果>
Fig3(通常のメタ解析)
つまりは、対プラセボ
DPP4阻害薬 HR1.02(0.94~1.11)
GLP1アゴニスト HR0.88(0.81~0.94)
SGLT2阻害薬 HR0.80(0.71~0.89)
NMAの結果→eTable5,eFig6(見れない)
ランキング→プロットのみ
クラスごとにくくった大雑把な比較。
最初に設定されたアウトカムのうちsecondary扱いのものはすべてappendixへ
(そもそも個々の研究の統合解析でprimaryとかsecondaryとか意味あるの?)
NMAをランキング付けに使っているが、クラスごとに分けているのでやる意味は少ない。
比較検証が雑過ぎて、この研究のリサーチクエスチョンに臨床的・研究的価値があるのか疑問。
要は有名論文読んどけばいいってことで。