窓際さんのお勉強な日々

こそっと論文読んで、こそっとメモ

11/11開催、第17回studentCASP 神戸薬科大学の予習をしてみた(不参加組より)

 明日11/11に神戸薬科大学で開催されるCASPの予習を参加もしないのに勝手に予習して垂れ流すという頭の悪い企画です。

博多駅そばのネカフェから投稿しているという)

 

 今夜19時以降に居酒屋抄読会in中州やります(https://twitcasting.tv/zuratomo4)ので、ご視聴お願いします!

(超重要項目なので赤字にしたった)

 

【お題論文】

Efficacy, safety and pharmacokinetics of biosimilars of anti-tumor necrosis factor-α agents in rheumatic diseases; A systematic review and meta-ana... - PubMed - NCBI

PMID: 28209290

 

【批判的吟味】

 

http://spell.umin.jp/EBM_materials_BTS.html

はじめてレビューシートにそって書いていきます

 

①PICO

 P:リウマチ性疾患(関節リウマチ、強直性脊椎炎)の患者

 I:バイオシミラー(インフリキシマブ、アダリムマブ、エタネルセプト)

 C:参照薬剤(要は先発品)

 O:反応率(ACR20とACR70)、有害事象

 

②コクラン?→いいえ

③GRADE?→いいえ

④網羅的に集めた?

・データベース:MEDLINE、Google Scholar、Scopus、EMBASE、CENTRAL

・検索語と期間省略

・対象研究:RCT

・参考文献:記載なし

・専門家への連絡:なし(データが足りないとき個々の研究者にコンタクトはした)

・非出版:調べていない

・言語制限:なし

⑤集まった?

研究数9(Fig1の8は健康ボランティアのため除外)でファンネルプロットしているが、特にする必要はなかったかも

⑥研究の質の評価

・二者以上独立?:3人が独立してやっている

・合意形成:話し合い(第三者の調停なし)

・Cochrane risk of bias tool、Jadad scoreで評価したとあるが本文中に結果が示されているのはJadad scoreのみ(全部3以上だった)

⑦結果(RR、95%CI)

・ACR20

 インフリキシマブーRA-12~16週:1.04(0.96~1.13)

            24~30週:1.02(0.91~1.15)

            48~54週:1.12(0.98~1.29)

 インフリキシマブーAS、アダリムマブ、エタネルセプトは研究数1のため省略

・ACR70

インフリキシマブーRA-12~14週:1.16(0.81~1.64)

           24~30週:1.01(0.80~1.29)

           48~54週:2.16(0.51~9.12)

エタネルセプトーRA-24~30週:1.10(0.86~1.39)

・有害事象(全体):0.98(0.91~1.07)

・有害事象(上気道感染):1.54(1.01~2.37)バイオシミラーで多かった。

 

【まとめ】

 

同等性が求められるだけに、大体同じ(一部有意差ついた)結果。

ただ、これSR&MAしてまでまとめる意味あったのかな?という感想しかでてこなかったです。

明日の神戸薬科大学CASPの盛会&成功を祈念しています。

 

 

 

 

 

 

「立てよ薬剤師」第二弾:薬剤師が情報発信をする意味? 

  なんか与えられたお題をそのままタイトルにしてしまう知恵のなさ。

答えは単純で「言葉にしなきゃ伝わるもんも伝わらねぇから」以外にないでしょ?

 しかも、相性があるので、僕の言葉は届かないのに、あなたの言葉なら届くってやつがあるんですよ。

 だからこそ多くの薬剤師が情報発信することにこそ意味があると思うんですけどね。

あ、デマはダメっすよ(;^ω^)

 

 

 いや、弊社には「あ?」と「は?」だけでコミュニケートできてしまうモンスタースタッフ(♀)(外見も含む)がいますが。

(;^ω^)<ホラー映画の女形モンスターがすべて可愛く見える(実話)

(;^ω^)<初めて正面顔を見たとき、悲鳴を上げそうになった(実話)

 

 

 

はい、今回は「立てよ薬剤師」プロジェクト第二弾です。

www.evernote.com

 

参考:前回はこんな感じ

zuratomo4.hatenablog.com

 

るるーしゅ先生の記事がリンク切れしてる(;^ω^)

ph-lelouch.com

 

 ひねりを入れられるほどのお笑いのセンスがない(生まれも育ちも関西)ので、与えられたテーマのままに書き連ねたいと思います。

あ、結論は冒頭に書いたので、興味ない人はここでブラウザそっ閉じですよ。

 

①そもそもブログ書いて何になるの?アフィもないのに?

 

 話のネタにはなります。チェックシートとか貼っておけば、他人に説明するときの資料集にもなりますしね。

 例えば、ネットワークメタ解析のチェックシートは、知り合いの先生が「院内抄読会でランセットのネットワークメタ解析の論文を読みたいがどう読めばいいか自信がない」とのことで、大事な点を漏らさず説明しやすくする目的で作成しました。

 先生、晩御飯ごちそうさまでした。(先生が見ていた時用のコメント)

zuratomo4.hatenablog.com

 なお、資料集のアイデアは南郷先生のパクリです。

http://spell.umin.jp/EBM_materials.htm

 

②どんな目的でブログ書いてるの?

 

 特にないです。(;^ω^)

いや、ツイッタランドでの圧力に屈しました。(笑)

 

 当初は目的も運営方針もなく書いていましたが、「EBM初心者を対象にしたブログはあるのに、それ以降の人に分かり易く浸透しているブログがないので、こんなニッチな層なら競合せんやろ」と思って書いてます。

 

 アフィもないので、小遣い稼ぎにもならないから、自由気ままにやってます。(だから記事を読んでほしい対象が1人とかいう馬鹿記事も書けます)

 

対象1名の記事の例(この例はけいしゅけ先生:https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/

zuratomo4.hatenablog.com

 

③臨床とのつながり

 

 やっぱり、特にない(;^ω^)

いや、提案時はそちらを読んでるし、仕事中にこのブログを見ることはないっす!(職場バレはいやぁぁぁぁぁっ!)

 

 僕の夢が「居酒屋抄読会で日本各地を回り、全国のEBMerと地の旨いものを食い、旨い酒を酌み交わしたい」なので、その一助にはなっているかと思いたい。(願望)

 

ここで、居酒屋抄読会in北海道後の酔っ払いの戯言をば。

f:id:zuratomo4:20180925192448p:plain

f:id:zuratomo4:20180925192542p:plain

 

誰かと繋がりたいなら、その意思を表明しないとってことですね。

 

あ、わたくし居酒屋抄読会の参加者の他に、結婚相手(女性)も募集しておりますので、よろしくお願いいたします。

バロキサビルマルボキシル(ゾフルーザ)の第三相臨床試験(CAPSTONE 1)を読んでみた

<はじめに>

 

「ゾフルーザの論文がNEJMにでた」と聞いて、「ハイリスク者対象のCAPSTONE 2が出たのか~」と喜び勇んで検索してみたら、「CAPSTONE 1やん!審査資料で大体読んだからいらんわ」となったのですが、せっかくなので読んでみます

 

<お題論文などなど>

 

Baloxavir Marboxil for Uncomplicated Influenza in Adults and Adolescents. - PubMed - NCBI

PMID: 30184455

 

臨床試験登録情報:A Study of S-033188 (Baloxavir Marboxil) Compared With Placebo or Oseltamivir in Otherwise Healthy Patients With Influenza - Tabular View - ClinicalTrials.gov

 

ゾフルーザ審査概要(臨床概要3に目的の情報があります)

 

審査報告書(2018年02月23日)の2と3

http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180312001/340018000_23000AMX00434000_A101_1.pdf

http://www.pmda.go.jp/drugs/2018/P20180312001/340018000_23000AMX00434000_A102_1.pdf

 

<審査資料について>

 

 審査資料(概要、報告書)はPMDA における審査の概要と過程が記載された文書のこと。(一般に公開されている)

 

審査報告書・申請資料概要 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

病院薬剤師業務への審査報告書の利活用について(https://www.jshp.or.jp/banner/guideline/20151214.pdf)

 

個人的には、採用の可能性のある新薬については、治験の概要一覧と有効性・安全性のデータに目を通すようにしている。(少なくとも院内勉強会の前には)

 

以下は参考(良かったら読んでみてください)

ph-lelouch.com

 

<いつも通り論文を読んでみる>

 

・リサーチクエスチョンは

 

P:12~64歳(2016~2017seasonで)、38度以上の発熱、全身症状が1つ以上、呼吸器症状が1つ以上、症状が出てから48時間以内、外来患者

 

I:バロキサビル(体重80kg未満は40mg、体重80kg以上は80mg)

 

C1:プラセボ

 

C2:オセルタミビル(タミフル) 75mg 1日2回5日間 

  (この群への組み入れは20~64歳。この試験実施時10代への投与は禁忌)

 

人数比はI:C1:C2=2:1:2

 

O:インフルエンザ症状(咳、咽頭痛、頭痛、鼻づまり、発熱または悪寒、筋肉または関節痛、および疲労)緩和までの時間 (9/21追記、1~14日まで測定)

 

・ランダム化→されている(感染確定例で示されている) 

     Table1(12~64歳、プラセボ用)とTableS2(20~64歳、オセルタミビル用)

 ※タミフル群はバロキサビル群より喫煙者が多く、組み入れが遅め、ワクチン接種者多めで、ワクチンを除くとタミフルが不利な割り付けになっているように感じた

 

・盲検化→ 二重(参加者、研究者のみのよう)

 

・ITT?→ITTI(インフルエンザ感染が確定+一回は治験薬を受け取った)

 

・施行バイアス→各群で影響を与えそうな薬剤等は制限されている

 

・サンプルサイズ→1494名

 

・結果(インフルエンザ症状緩和までの時間)

 

Fig2より、ゾフルーザ53.7時間vsプラセボ80.2時間 差26.5時間(95%CI:17.8~35.8)

FigS4より、ゾフルーザ53.5時間vsタミフル53.8時間 差0.3時間(95%CIの記載なし)

 

<審査資料と比較してみる>

 

・試験の概要

f:id:zuratomo4:20180921001751p:plain

 

・P(対象患者)の情報を見てみる

 ※CAPSTONE1は審査資料では「T0831試験」と呼称されている

f:id:zuratomo4:20180921001954p:plain

・アウトカムとその定義

f:id:zuratomo4:20180921002628p:plain

f:id:zuratomo4:20180921002735p:plain

 

・結果

f:id:zuratomo4:20180921002933p:plain

※論文では出ていなかったタミフル群との差の95%CIが-6.6~6.6であることが分かる

なぜ、論文では記載を省略したのだろう?

 

以下は論文でも出ていたカプランマイヤー曲線(vsプラセボ

f:id:zuratomo4:20180921003418p:plain

 

以下は、論文で省略された図

f:id:zuratomo4:20180921003836p:plain

なぜか白黒(-_-;)、タミフルとゾフルーザで重なりすぎて区別がつかない(;^ω^)

 

ここからはサブ解析など

先ずはインフルエンザの型別の効果

f:id:zuratomo4:20180921004244p:plain

ちょ、B型でゾフルーザ飲んだ方が回復遅れてるやん(タミフルも)(;^ω^)

n数が少ないので、スモールサイズエフェクト(極端な結果が出やすい)ではないかと思うのですが

(実際、第二相ではインフルエンザの型によらず罹病期間短縮効果が見られている)

※審査でも同様の説明で「A型のみ」という限定がつかなかった模様

 

で、お次は人種

と、いってもCAPSTONE1試験は日本とアメリカでしか実施されていない。

(計画にはカナダ、韓国、タイ、シンガポールがあったようだが、なぜ実施国から外れたのかは不明)(9/21追記、審査資料ではカナダのみなぜか言及されている)

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ちょ、白人とアジア人で罹病期間の中央値が倍近く違うんですけど(;^ω^)

でも、短縮時間は一緒くらいなのね

 

で、ウイルス力価(ここだけゾフルーザがタミフルに勝った)

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いうほどの差に見えない(;^ω^)

 

治験中に見られたゾフルーザ耐性株でのウイルス力価

f:id:zuratomo4:20180921010204p:plain

6日目に二度目のピークが出ていると、、、

 

で、臨床症状はというと

f:id:zuratomo4:20180921010409p:plain

耐性の有無で有症状期間が変わらなかったと

ウイルス力価と臨床症状は必ずしもリンクしないと

(していたらゾフルーザはタミフルより症状緩和が速いはず)

 

<まとめ>

 論文では審査資料に比べ省略されている情報が散見されたが、評価するうえで大勢に影響はなさそう。

 安心して「ゾフルーザの効果はタミフルのそれを超えるものではない(優れているかわからない)」と言えそうです。

 で、個人的に引っかかったのは「陽性対照扱いのタミフル群の被験者割り付け数が多い」という点です。ただの陽性対照なら「2:2:1」に割り付けたとき「1」になるのが自然なので。

 論文、臨床試験登録情報、審査資料にも直接の言及がないのですが、ここまでの人数を割り付けている場合、本来この試験は「タミフルに対する優越性」を検定する目的があったのではないか?と。

 結果から言うと「タミフルとの優越性を検討しようとしていたが、論文や審査資料でその点に触れていない」が答えです。

 この場合プロトコルを見るのが良いのですが、全文フリーでもない論文のプロトコルを読むのは困難です。もしプロトコルが見れたとしてもページ数も多く読むための心理的・時間的・体力的ハードルは高そうです。

 

 ここで「ゾフルーザ」が優先審査になるくらいの塩野義製薬にとって目玉商品であったことを思い出してください。

 これほどの期待の商品を株主にアピールしないわけがないと。

 早速、塩野義製薬のホームページから「株主・投資家の皆様へ」をクリック。IR資料を見てみましょう。

IR資料室 | 株主・投資家の皆さま | シオノギ製薬(塩野義製薬)

アピールなのですから、プレゼンテーション資料を見てみましょう。

プレゼンテーション資料 | IR資料室 | 株主・投資家の皆さま | シオノギ製薬(塩野義製薬)

ゾフルーザの結果速報がありますが無視して、開発時期と重なる第1四半期Conference Call (2017年7月31日)を見てみます。

http://www.shionogi.co.jp/ir/pdf/p170731.pdf

ページをスクロールするとS-033188(ゾフルーザの開発コード)のページが見つかります。

f:id:zuratomo4:20180921012520p:plain

はい、タミフルとの優越性が「主な副次目的」に記載されています。

 

ここでお伝えしたかったのは、前々回から書いていた臨床試験登録情報の弱点です。

「登録情報の登録前にされた変更や登録から外された情報は追えない」ということです。

今回のは「対プラセボ」をどこにも明記していなかったので、タミフルに優越性が示されればそちらがプライマリアウトカムになっていたのかもしれません。

 

<おまけ>

 

開発中の新薬にどんなものがあるか知りたくなることはありませんか?

僕は最初に勤めた職場で「○○の新薬はいつごろ市販されそうか?」という問い合わせを時々受けていました。

そんな時最初に調べるのが、日本製薬工業協会のホームページです。

開発中の新薬|新薬・治験情報|日本製薬工業協会

ただ、メーカーによっては更新が遅く使い物にならないので、そういう時に株主用の資料を見ていました。

開発予定の新薬=そのメーカーの成長の期待になるので。

 

今回はここまで。

最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございます。

 

<追記>

 

耐性の有無による有症状期間について以下のようなご指摘を受けました。

 

f:id:zuratomo4:20180921184907p:plain

 

論文を確認したところ、ご指摘の通りでした。

ご指摘ありがとうございます。

 

で、審査資料の方ですが、貼り付けた表40を確認すると耐性の有無で63.1時間vs52.4時間となっていました。

審査過程では、63.1時間vs52.4時間で検討して「このアミノ酸変異(耐性化)が臨床症状に影響を与える可能性は低い」としたようです。

 

 この資料と論文の食い違いに関してはメーカーに聞いてみたいところですが、そもそも塩野義製薬のMRさん見たことない職場なので、卸さん経由で聞いてみたいと思います。

居酒屋抄読会in大都会、開催報告と臨床試験登録情報利用例

<はじめに>

 

ブログの更新をサボっておりました(・´ェ`・;)ゞ

8/26に開催しました、第一回居酒屋抄読会in大都会の開催報告になります。

 

<お題論文など>

 

Immunogenicity and safety of a quadrivalent inactivated influenza virus vaccine compared with a comparator quadrivalent inactivated influenza vacci... - PubMed - NCBI

PMID: 28390934

 

以下は臨床試験登録情報になります

A Study to Evaluate the Immunogenicity and Safety of Seqirus Quadrivalent Influenza Vaccine (QIV) in a Pediatric Population 5 Through 17 Years of Age - Tabular View - ClinicalTrials.gov

 

今回は参加者が使い慣れているAHEADMAPのRCTを10分で読むためのワークシートを利用しました。

AHEADMAP会員募集チラシがダウンロード可能に! - aheadmap ページ!

 

録音は以下よりどうぞ

twitcasting.tv

twitcasting.tv

 

<批判的吟味>

 

①ランダム化?

 →タイトルを見ると「Immunogenicity and safety of a quadrivalent inactivated influenza virus vaccine compared with a comparator quadrivalent inactivated influenza vaccine in a pediatric population: A phase 3, randomized noninferiority study」とあるのでランダム化されている

 

②PECOは?

 P:AbstractのBackgroundの一番最後に「healthy children aged 5–17 years.」とあるので「5~17歳の健康な子供」でよさそう。本文からの追加情報もあまりない。

 5~8歳と9~17歳で層別化されている

 E:高純度4価インフルエンザワクチン(Seqirus)

 C:FDAが承認している4価インフルエンザワクチン(GSK)

 O1:赤血球凝集素(HI)抗体価の幾何平均差(非劣性マージン≤ 1.5)

 O2:セロコンバージョン率の差(非劣性マージン≤ 10%)

 

③アウトカムは明確?

 →2つなので明確

 

④真のアウトカム?

 →代用

 ワクチンで真のアウトカムとなると「発症率」「入院」「超過死亡」あたりだろうか。今回の試験は2015.9~2016.1と短期間での評価のため抗体価にしたのだろうか?

 

⑤盲検化

 →Materials and methodsのStudy designの項に「This phase 3, randomized, observer-blinded, comparator-controlled, multicenter study evaluated IIV4 against an US-licensed 2015–2016 comparator IIV4 containing the same influenza strains recommended by the US Food and Drug Administration (FDA) and the Vaccines and Related Biological Products Advisory Committee  for inclusion in the Northern Hemisphere 2015–2016 season. 」とある。一見するとPROBE法に見えるが、、、

 

ここで臨床試験登録情報、Descriptive InformationのStudy Designを見ると「Masking: Quadruple (Participant, Care Provider, Investigator, Outcomes Assessor)」とある。

つまりこの試験は4者へのブラインドをすることが計画されていたことがわかる。

 

※本試験は新ワクチンが旧ワクチンに比べ発熱が少ないことをウリにしているので盲検化は必須だと思われる。

 

⑥解析法

 →FAS(プライマリアウトカムはper protocol)

 

⑦追跡率

 →fig1より94.6%

 

⑧ベースライン

 →気になる偏りは見つけられない

 

⑨結果

 

赤血球凝集素(HI)抗体価の幾何平均差(非劣性マージン≤ 1.5)

 ・A/H1N1 = A/California/7/2009 (H1N1) pdm09-like virus 

  新952.6 :旧958.8 GMT Ratio (95% CI) 1.01 (0.93, 1.09)

 ・A/H3N2 = A/Switzerland/9715293/2013 (H3N2)-like virus

  新886.4 :旧930.6 GMT Ratio (95% CI) 1.05 (0.96, 1.15)

 ・B/YAM = B/Phuket/3073/2013-like virus

  新 60.9 :旧54.3 GMT Ratio (95% CI) 0.89 (0.81, 0.98)

 ・B/VIC = B/Brisbane/60/2008-like virus

  新145.0 :旧133.4 GMT Ratio (95% CI) 0.92 (0.83, 1.02)

 

セロコンバージョン率の差(非劣性マージン≤ 10%)

 ・A/H1N1 = A/California/7/2009 (H1N1) pdm09-like virus 

  新66.4  :旧63.3 SCR Difference (95% CI) −3.1 (−8.0, 1.8)

 ・A/H3N2 = A/Switzerland/9715293/2013 (H3N2)-like virus

  新82.9 :旧83.3 SCR Difference (95% CI) 0.4 (−4.5, 5.3)

 ・B/YAM = B/Phuket/3073/2013-like virus

  新58.5 :旧55.1 SCR Difference (95% CI) −3.4 (−8.3, 1.5)

 ・B/VIC = B/Brisbane/60/2008-like virus

  新72.1 :旧70.1 SCR Difference (95% CI) −2.0 (−6.9, 2.9)

 

有効性ではすべての項目で非劣性を達成。

 

安全性で注目の「発熱」を見ると、Relative Risk (95% CI) 1.22 (0.62, 2.43)

 

<結論>

 

この結果なら既承認薬でええやん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

抄読会の発表当番に苦しむ貴方に贈る~論文を読むときに臨床試験登録情報を活用する方法~

<はじめに>

 

 今まで当ブログではお題論文のリンクの他に、臨床試験登録情報へのリンクも貼っていました。

 8/10に開催したビアガーデン抄読会in天王寺(報告記事まだです。すみません)、8/26に開催した第1回居酒屋抄読会in大都会で臨床試験登録情報を提示したところ「知らない」「使い方がわからない」という声をいただきました。

 今までリンクをはってはいたものの臨床試験登録情報について解説したことがなかったこと、多くの人は公的な場で学ぶ機会がないことに思い至りました。

 そのため、今回の記事は臨床試験登録情報の活用法を紹介したいと思います。

 

 なお、僕自身公的に系統だって学んだわけではなく、使い方もJJCLIPに出会う前に「いかに楽に読むか」追及して編み出した我流になりますのでご承知おきください。

 

<本記事の対象>

 

①:抄読会でみんなに紹介するためガッツリ読むことが求められているが、どう読んでいいかわからない方

②:周りに一緒に論文を読む仲間がいなくて、正しく読めているか不安な方

 

<お題論文>

 

※8/26開催の岡山CASPで使われたEMPA-REG OUTCOME試験を扱いますが、論文本体は参考程度にしか扱いません

 

Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes. - PubMed - NCBI

PMID: 26378978

 

今回のテーマである臨床試験登録情報は以下の通りです。

clinicaltrials.gov

 

 本来は上で示した形式がデフォルトですが、個人的には表形式を使っていますので、表形式のリンクも貼っておきます。

上のリンク先で「Tabular View」というタグをクリックするだけです。

f:id:zuratomo4:20180827203520p:plain

BI 10773 (Empagliflozin) Cardiovascular Outcome Event Trial in Type 2 Diabetes Mellitus Patients (EMPA-REG OUTCOME). - Tabular View - ClinicalTrials.gov

 

今回使うワークシート

http://caspjp.umin.ac.jp/worksheet/RCT21j.pdf

(A:内的妥当性、B:結果、C:外的妥当性で構成されています)

 

臨床試験登録情報について>

 

 今回はClinicalTrials.govを扱います。

 

 日本国内だと一般財団法人日本医薬情報センター 臨床試験情報UMIN-CTRあたりが有名でしょうか。

 

臨床試験登録情報制度ができた背景は以下のリンク先で知ることができます。

臨床試験登録の必要性

 

 僕個人の理解している範囲でざっくり説明すると、結果の思わしくない臨床試験は報告(論文化)しないという事態が横行したため、出版バイアス回避を目的に始まったシステムといったところでしょうか。

その他にもアウトカムを事前に登録しているため、アウトカムの改変が察知できるのでSPIN(アウトカムを有意差の出るように改変すること)を見つけるのにも使えます。

 

<ClinicalTrials.govの見方~表形式(Tabular View)でマスターしよう~>

 

①構成を理解しよう

 

表形式にしても変化しない部分がこちらです。

目につくのは、タイトル、免責(左側の灰色の枠内。意訳すると「NIHも政府も記載内容に責任は持たない。責任は書いたやつにあるから注意な」なので使用は使う側の責任です)、試験の状態と開始日終了日(右側の赤いところ)、スポンサーでしょうか。

f:id:zuratomo4:20180827203919p:plain

下にスクロールするとこんな感じです。

f:id:zuratomo4:20180827204817p:plain

ここからは上から順に簡単に各項目を見ていきます。

項目はいくつかの大項目に分かれています。

 

「Tracking Information」の項目

・日付(試験登録日、試験登録受付日、最終更新日、試験開始日、試験終了日)

・現在のプライマリアウトカム(下の日付は提出日)

・オリジナルのプライマリアウトカム(下の日付は提出日)

(アウトカムが変更されていないときは「same as current(現在と同じ)」と記載される)

・登録情報の変更履歴(リンクをクリックすると別ページに飛ぶ。変更履歴の見方は後程解説する)

・現在のセカンダリアウトカム

・オリジナルのセカンダリアウトカム

・現在のその他のアウトカム

・オリジナルのその他のアウトカム

 

「Descriptiprive Information」

・簡易な試験名

・公式な試験名

・簡単な試験概要

・詳細な試験の説明

・研究のタイプ

・研究のフェーズ

・試験デザイン(allocation、intervention model、masking、primary purpose)

・条件

・介入

・Study Arms

・出版された研究成果(プロトコル論文やサブ解析などが表示される。なおリンクをクリックするとPubmedのページに飛べる)

「* MedlineのClinicalTrials.gov Identifier(NCT番号)で特定される出版物だけでなく、データ提供者が提供する出版物も含まれます。」という注意書きがある。

 

「Recruitment Information」

・募集状況(まだ、募集中、現在進行中、完了など)

・実際の登録人数

・オリジナルの登録人数

・実際の試験終了日

・実際の一次完了日 (主要アウトカム指標の最終データ収集日)

・参加基準(組み入れ基準、除外基準が箇条書きされる)

・研究対象の性別

・年齢

・Healthy Volunteersの受け入れ

・連絡先

・参加国

・参加国から除外された国

 

「Administrative Information」

NCT番号

・他の研究ID番号(一つの試験が複数の臨床試験登録をしていることもある)

~以下省略~

 

⇒CASPワークシートのうち、解析方法(ITT解析?FAS?PPS?)と施行バイアス(両群は介入以外等しく扱われたか?)以外の項目はここで埋めることが可能

 

②変更履歴の見方を理解しよう

 

先ずは変更履歴のところに表示されているリンクをクリック!

ブラクラじゃないので安心して踏み抜いてください)

Complete list of historical versions of study NCT01131676 on ClinicalTrials.gov Archive Site

リンク先に飛ぶと以下のようなページに飛ぶので、さらに赤枠のリンクをクリック

f:id:zuratomo4:20180827205733p:plain

 

そうすると以下のページが表示される

 

f:id:zuratomo4:20180827205931p:plain

 左から、バージョン、比較する際左側に表示したい項目、右側に表示したい項目、変更内容が表示される。ここから、EMPA-REG OUTCOME試験は登録情報を84回変更したことが分かる。

 アウトカムの変更履歴が見たい場合、左側はデフォルトでオリジナルが選択されているのでそのまま放置して、右側のポインタを見たい時期に合わせてクリックしよう。

この時変更項目に「Outcome Measures」と書いてある部分でアウトカムが変更されているので、その日付をチェックしよう。

 

一回目の変更がVer13(2011.4.5)で行われているので

f:id:zuratomo4:20180827214133p:plain

 

上記のようにチェックを入れて

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①→②のようにクリックしよう

 

そうすると以下の画面が表示される

この時赤丸で囲んだようにチェックが入っていなかったら、即座にチェックしておくこと

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後は目的のアウトカムの項目までスクロールすると

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変更箇所が色分けされている。

ここではセカンダリの「非致死性心筋梗塞」の誤字訂正がされたことが分かる。

因みにほかの項目もチェックしていくと、プライマリアウトカムが最大4年から8年、5年と変更されていくのがわかる。

 

<おまけ>

 

「Study Results」のタグをクリックすると、結果が見られることもある

(例示したのはプライマリアウトカム)

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<ワークシートを該当項目で埋めてみた>

 

A1(PICO):P=参加基準、I/C=Study Arms、O=現在のプライマリアウトカム

A2(試験デザインはRCTでよい?):研究のタイプ(介入)

A3、4(ランダム化と盲検化):試験デザイン

A5、6は解析と施行バイアスの為省略

A7(サンプルサイズ):オリジナルの登録人数

(途中で人数が変更になっており、プロトコル論文では訂正後の数値が、本論文では目標イベント数691のみで表示されている)

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ClinicalTrials.govの使い方は以上です。

通常読むのに使うには手間がかかるので、実際上記の方法を使うのは抄読会やワークショップ、本ブログの記事作成時のみです。

 

長々とした解説記事を読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<おまけというか個人的禁忌技>

 

ClinicalTrials.govで「参加国」に注目!

「Japan」はあるか?

 

あったら儲けもの!

NCT番号を検索エンジンにかけ、日本語のみの結果を見てみよう

「JapicCTI-No.」が見つかれば、アタリだ!

実はEMPA-REG OUTCOME試験は日本でも行われており、日本でも登録されている。

以下のリンクがそれだ。

http://www.clinicaltrials.jp/user/search/directCteDetail.jsp?clinicalTrialId=7644

 

開いてみよう

以下のようなページが開かれるはずだ

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もうお気づきだろう

日本語なのだ!

さっきまで解説してきた部分の多くが日本語で記載されているのだ!

つまりここから抜粋すると、公式スポンサーによる日本語訳つきでワークシートが埋まるのだ!

 

これが禁忌だという理由はお気づきだろうか?

 

英語を全く読まなくても終わってしまうのだ!

抄読会やワークショップで頑張って英語を読んで「PICOは~」とか言ってたのがばからしくなるのだ!

そのため、個人的には禁忌技として自分自身に使用を禁じている。

ここまで読んだ貴方がどうするかは貴方自身に委ねよう。

 

それでは、小芝居にお付き合いいただきありがとうございました。

 

8/19 12:00頃から居酒屋抄読会in新潟を開催します

体調不良で臥せっている間に7月が終わっていました。

 

で、今回はリハビリ目的の告知記事です。

 

<第1回 居酒屋抄読会in新潟>

 

日時:8/19(日)12:00頃(少し遅れます)

 

お題論文

Comparison of the Effect of Two Kinds of Iranian Honey and Diphenhydramine on Nocturnal Cough and the Sleep Quality in Coughing Children and Their ... - PubMed - NCBI

PMID: 28103276

 

<仮想症例シナリオ>

 

あなたは町の薬局の薬剤師です。

 

お盆休み前の混雑も一区切りし、お昼ご飯を食べようとした時、5歳のお子さんを連れて、あなたの好みのタイプど真ん中のお母さんが来客しました。


「いつも行く小児科に咳が出ると受診して前も出た薬を出しとくねと言われたんだけどあんまり効いてる気がしなくて…。何かいい方法ないかとも自分でも調べてみて色々試したんですけど効果はイマイチだし、咳が出てると私もあまり寝れないし…。何かいい方法ありませんか?」


処方箋を見ると、ここの小児科で処方される定番のポララミン、アスベリンムコダインが処方されています。

 

あなたは(こんな美人なら色んな意味で寝かさないけど!?)と心の中で思いながら、それを押し隠して、「いい方法があるかもしれないので調べたら連絡させて頂きます。連絡先を教えて頂けますか?」と上手いこと(?)連絡先を聞き出して今回は帰宅して頂き調べてみることにしました。


調べてみるとポララミンとジフェンヒドラミンという違いがあるものの気になる論文を見つけたので調べてみることにしました。

 

はい、ふーた先生(@futapapatsu3)渾身のシナリオです。

もうシナリオだけで盛り上がっちゃいそうです。

 

シナリオははっちゃけ気味ですが、ご本人は子供に等しく自愛の目線を向けすぎて「視線で孕ませることができる」といじられるくらいの子供大好きなジェントルマンです。

 

今回のお題論文の関連記事がふーた先生のブログにありましたので、リンク貼っておきます。

wruskniph.xyz

 

なお、8/19の21:00よりJJCLIPも開催されますので、ふるってご視聴ください。

 

pharmasahiro.com

 

居酒屋抄読会in札幌(北海道発開催)開催報告

<はじめに>

 

更新さぼってました。

すみません。

今回の記事は去る7/7に開催した居酒屋抄読会in札幌の開催報告になります。

ちょうどこの日、プライマリケア連合学会の北海道支部の研修会があり、そちらに参加して宣伝だけした後、居酒屋抄読会を駅近くの居酒屋で開催しました。

 

 

<お題論文と配信の録音>

 

Comparison of Glucosamine-Chondroitin Sulfate with and without Methylsulfonylmethane in Grade I-II Knee Osteoarthritis: A Double Blind Randomized C... - PubMed - NCBI

PMID: 28790224

 

twitcasting.tv

※お題論文が短かったため、ほぼ同じ内容で3回配信したうちの3回目。

 

 

<背景>

 

サプリメントについての論文を読もうと決まった後、「美肌」や「アンチエイジング」で検索したところ、「メチルサリフォニルメタン」の配合商品が売上ランキング1位に来ていたので(現在では10位以内にもいなくなっていた)、「メチルサリフォニルメタン」で検索してみた。

 

「methylsulfonylmethane」で医学論文を検索しても、「美肌」や「アンチエイジング」について検討した論文は見つからなかった。(他成分でも美肌やアンチエイジングを検討したものが見つからなかった)

ただ、関節痛や関節炎への効果を検討した論文はあったので、そちらを読むことにした。

 

以下は参考
メチルスルフォニルメタン (メチルサリフォニルメタン)の安全性・有効性情報

 

<批判的吟味>

 

P:KL分類Ⅰ~Ⅱの変形性膝関節症の患者147名

 

I:グルコサミン1500mg+コンドロイチン1200mg

 

C:グルコサミン1500mg+コンドロイチン1200mg+メチルスルホニルメタン500mg

 

O:VAS、WOMAC(測定したのは4週、8週、12週)

 

研究デザイン:ダブルブラインドRCT

 

患者背景⇒プラセボ群により重症な患者が集まっている

 

解析:ITT解析(そもそも脱落無し)

 

<結果>

 

table2が生に近い結果、ベースラインとの差で示したのがtable3

 

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なんか数字が合わない。

いや、Table3の赤丸付けたところは普通に引き算したら同じ値になる。

どんな処理をしたのだろう?

 

結局、もやもやしたまま札幌の第一夜が過ぎました。

 

<北海道旅行その後>

 

一度は行ってみたかった旭山動物園へ!

途中から、動物園を楽しむおっさんの図まで、キャスで公開するという。

 

<謝辞>

 

プライマリケア連合学会の会場でお財布を落とすという痛恨のミス!

世話役の方から職場に電話→上司からLINEで取りに戻るという

その説は大変お世話になりました!