居酒屋抄読会in天王寺のお知らせ
更新滞っててすみません。
居酒屋抄読会in天王寺を2/9(金)、20:30過ぎくらいから開始します。
お題論文
PMID: 29289687
Quick-SOFAと Systemic Inflammatory Response Syndrome Criteriaの診断精度、予後予測能力を比較したシステマティックレビューです。
今回の参加メンバーはいつもの居酒屋抄読会in梅田とはほぼ違う顔ぶれとなっていますので、お酒片手にゆるりとご視聴ください。
なお、配信はこちらから
inhttps://twitcasting.tv/zuratomo4/
おまけ
・qSOFAについて
SBP≤100 mmHg、≥22 breaths/min、Glasgow coma scale<15の三つのうち二つ該当で敗血症を疑う
・SIRS criteriaについて
①体温<36℃または>38℃。②脈拍>90回/分。③呼吸数>20回/分,あるいはPaCO2<32 Torr。④白血球数>12,000/mm3,あるいは<4,000/mm3,または10%を超える幼若球出現
上記の①~④のうち2項目以上の該当で、感染症が疑われる場合に敗血症を疑う。
④って、そんなに早く測れるっけ?と思ったら以下のような論文が
PMID: 26158402
基準満たしてなくても危ない状態の人はいるって報告。全文フリーですので興味があれば読んでみるのもいいかも。
で、後付けですが前回の居酒屋抄読会in梅田の録音も公開中ですので良ければどうぞ
広島までEBMな旅をしてきました③ EBM合宿最終日、SR阿鼻叫喚編
前日の泡盛からのパリピナイトで死にかけたまま、二日目は朝8:30からチュータートレーニングですよ!
どうもこのお店はのりまき先生の行きつけらしいと聞き及びましたが、裏をとることはできませんでした。ドラ先生にお詫びします。すみませんでした。
はい、前夜の影響でチュータートレーニングに遅刻しました(;^ω^)
内容を簡単にまとめると、教えるのではなく、議論を活発にできるように調整するのがチューターのお仕事だということです。
安定のつかみである桑原先生のアイスブレイクは省略。
SRの読み方のレクチャーが、平社員先生から(内容は割愛)
で、グループワークへ
シナリオはこんな感じ
「脳梗塞で倒れたことのある夫が薬をきちんと飲んでないようで心配と相談された。ワークショップで知った論文を紹介しよう」
お題論文はコチラ
運動療法による認知機能の低下抑制効果を見たシステマティックレビュー(SR)ですね。
内容は
P:MCIもしくは認知機能の落ちた60歳以上の人(認知症は除外)
I:運動(3METs以上)
C:通常ケア、ストレッチ、軽度の運動(33METs未満)
O:認知症の発生率、MCIの発生率、臨床的に有意な認知低下の発生率、左記3つの複合
集めた試験:RCT(介入期間1年以上)→5件
検索エンジン:PubMed、CENTRAL、PsychInfo/PsychArticles
検索は1名、スクリーニングは2名で実施。評価は記載なし。
言語:制限なし
参考文献、専門家コンタクト:記載なし(=していない)
事前登録情報(SRも実施前に計画の登録が求められる)
https://www.crd.york.ac.uk/prospero/display_record.php?RecordID=52690
論文に記載されている登録番号ではヒットしない不思議(CRD42016052690)
結果
認知症 RR0.56 95%CI:0.23~1.36 I²=63.1 3試験
MCI RR1.12 95%CI:0.81~1.55 統合不可 1試験
認知機能低下 RR0.90 95%CI:0.42~1.95 I²=30.4 2試験
複合 RR0.74 95%CI:0.43~1.26 I²=57.1
太極拳の研究がとびぬけた有効性を示したため、認知症のRRが低く出た模様。
適用:シナリオから想定できる臨床疑問と論文がかみ合っておらず、「こんな論文知ってる」という知識のひけらかしになっている。きちんと疑問にあった論文を探そう!
藤原先生より
「SRの結果を適用するときは、SRを作成する過程で失われる情報に目を向けよう」
と、ありがたい言葉をいただきましたので、ここでシェアしておきます。
前夜の疲れで、覇気のなくなった会場をみて思ったこと(個人の感想)
「合宿はペース配分が大事」
検索セッション終了後、とーます先生と新幹線で広島を離脱しました。
新大阪で牡蠣を食べて帰宅。
今回のEBMな旅はこれで終了です。
おまけ
まだまだワークショップはたくさん企画されていますので、参加の検討をお願いします‼
第5回 CASP 関西 ワークショップ(テーマは医療技術評価)
◎ 日時:H30年2月25日(日) 午後13時開始 午後5時20分終了予定 (昼食:各自持参)
◎ 場所:大阪大学中之島センター 703号室 (〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53)
◎ 申し込み先:casp.kansai.ws@gmail.com
メールタイトル:「参加希望@第5回CASP関西」、本文:“所属(所属大学)、氏名 ”
◎ 参加費用:3000円 (学生1500円)
広島までEBMな旅をしてきました② EBM合宿1日目、RCT血祭り編
EBM旅行記はここからが本番です!
HCA(広島文献を読む会)とAHEADMAP共催の一泊二日のEBM合宿です。
初日のテーマはRCT(ランダム化比較試験)を血祭りにあげるですよ~。
初心者も多い(ただし、一番目立つのは神戸薬科大学EBM同好会からの刺客たち)ため、平社員先生からEBM概論とRCTの簡単な読み方のレクチャーから。
PECOの例(日常生活における臨床疑問の定式化)
P:婚前の挨拶に行く人
E:オシャレな店
C:行きつけのバー
O:結婚を認めてもらえるか
未婚者は結婚ネタをぶっこむのが、ワークショップの習わしのようです。
(このPECO平社員先生の体験談かな?)
ここでテレビ無し生活の同志であるはずの平社員先生から、たけしの家庭の医学で紹介されたといういかがわしい健康情報として「アボカドがひざ痛をやわらげるのに期待できる?」が紹介されました。
そんなのあったのかとスマホで検索すること1分弱、報告を見つけました!
関節の可動域をアボカドがプラセボに比べて広くできるかを検討したRCTです!
めんどくさいので結論から言うと、プラセボと同等の改善効果が得られました!
つまり効きません!
マスコミはスマホで1分かからない程度の検証すらできないということを爽やかな笑顔を浮かべながら述べる平社員先生、さすがです!
ここまでが合宿の導入部分です。(本番はここから)
お題論文を読むに至った経緯(仮想症例シナリオ)は以下のような感じでした。
『認知症の発症を恐れるリウマチ持ちで痛みで動けなくなっている高齢女性から、某NHKで紹介されていたコグニサイズのような方法で認知症の発症を予防できないか相談された』
は?(゚д゚)?コグニサイズってなんだよ?と、思って調べたら冊子がありましたので、リンク貼っておきます。
http://www.ncgg.go.jp/cgss/department/cre/documents/cogni.pdf
どうも国立長寿医療研究センターが開発した身体運動と認知機能訓練を組み合わせたもののようですが、肝心の認知機能低下予防効果がわかりません。
(引用されている文献からはMMSEで1~2点程度改善するかもしれませんが、MMSEは30点満点。鋭敏さもないので、この点数で効果を実感するのは無理でしょう)
広島大学病院からの使者(〇貞先生)が教えてくれた、コグニサイズを紹介した論文がありましたので紹介しておきます。(効果を検証したものではないので、以下のリンクを踏む必要はありません。ほぼ時間の無駄ですので悪しからず)
Community-Based Intervention for Prevention of Dementia in Japan. - PubMed - NCBI
で、本題であるお題論文はコチラ
既に忍者先生が記事にされていましたので、分かり易い記事をお求めの方は、以下のリンクからどうぞ
screamtheyellow.hatenablog.com
論文の内容を見ていきましょう
(長いので論文の概要と結果から先に出します。その後解説とツッコミに行きますのでご了承ください)
P:60~77歳のフィンランド人
CAIDE (Cardiovascular Risk Factors, Aging and Dementia) Dementia Risk Score 6点以上
CERAD基準:ⅰ)30単語(10単語を3回)のうち記憶出来た単語が19単語以下ⅱ)思い出せた単語が75%以下ⅲ)MMSEが26点以下のうち1つ以上に該当する
年齢相応よりやや認知機能が低下していると思われる者
(悪性疾患、認知症、大うつ病、視聴覚障害、血管再建術後1年以内、症候性心血管疾患は除外)
*CAIDE Dementia Risk Scoreは20年後の認知症発症の予測スコア。15点満点で評価。6点以上だと発症リスクは2%以上に相当する。
I:多面的介入(食事、運動、認知機能訓練、心血管リスク管理)
C:一般的なカウンセリング(登録情報によると初回のみ、あとは検査の為だけの通院)
O:神経心理テストバッテリー(NTB)Zスコアを用いて測定した認知機能の変化
T:2年(追跡率94.4%)
blinding:アブストラクトにはdouble-blind(二重盲検)の記載あり
結果:介入群0.20、対照群0.16、平均差0.021(95%CI:0.002~0.042)。スコアで相対的に25%改善。平均差も有意差をもって介入群で改善。
以下は解説
*介入内容の詳細
①食事→Finnish Nutrition Recommendationsに準拠。(個人セッション3回、グループセッション7~9回)
1日に摂取するエネルギー構成
タンパク質10~20%
脂質25~35%(飽和脂肪酸<10%、不飽和脂肪酸10~20%、多価不飽和脂肪酸5~10%、ω3脂肪酸2.5~3g)
炭水化物45~50%(精製糖<10%)
食物繊維25~35g
食塩5g/日未満
アルコールは1日に摂取するエネルギーのうち5%未満
必要に応じて5~10%の体重減少を目標
上記を達成できた場合、「野菜・果物・低脂肪乳の摂取の推奨、ショ糖1日50g未満、バターを植物性マーガリンへ変更、魚の摂取を週二回以上」が追加
②運動→DR'sEXTRA(http://dx.doi.org/10.1016/j.eurger.2010.08.001)に準拠。 筋トレ週1~3回、有酸素運動1~3回
③認知機能訓練→導入講義10回、コンピュータによる訓練(6ヶ月×2、週3回、1回10~15分)
④心血管リスク管理→高血圧、糖尿病、脂質異常症ガイドラインに準拠。看護師面談(3、9、18ヶ月)、医師面談(3、9、12ヶ月)血圧・体重・BMI・腰囲・胸囲の測定と生活習慣に対する指導を行う。治験参加医師は処方は禁止だが、受診勧奨は可能。
*神経心理テストバッテリー→拡張バージョンが使用されている。記憶3テスト、処理3テスト、遂行機能5テストの計14種のテストを組み合わせた検査。変法が多すぎて、専門家でもどの程度把握しているか不明。変法の多さから検査の信頼性の評価もままならない。なお、僕は全く理解してません(研修会を受けに行ったが開始直後に撃沈した)
検査時間の目安(今回のNTBは載っていませんが認知症圏の検査時間の目安にはなると思います):http://www.med.kyushu-u.ac.jp/braincenter/annai2-shin.htm
zスコアは得られたスコアを標準化したもの。スコアが正規分布という前提を満たすならば、2より大きければかなり有効と判断できる。
はい、お待ちかねのツッコミはここからですよー
①ベースラインのNTBzスコアで介入群と対照群で0.06の差がある
②アブストラクトには「二重盲検」とあるが、試験登録情報(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT01041989)には「single(Outcomes Assessor)」と記載があり、計画されていない盲検を実行したのか?
本文中には参加者に介入がわからないよう施設間、群間の交流は禁止とあるが、本当に隠せたかを評価していない
チーム平社員では「この介入で盲検とか無理ゲ」と評してました。
③結局、どの程度改善したのかを読み解くことができない
④予測された変化は対照群-0.21、介入群-0.1で両群とも改善してるやん!
⑤介入、検査どれも負荷が大きく拷問に近い行為
まとめると、結果は有意差はあるものの臨床的な差があるとは考えにくく脱落は小さいものの実行する価値のある介入だとは到底考えられない。シナリオの患者さんは痛みも抱えており、このような効果も果てしなく薄い介入を推奨すること自体倫理的に問題。(何もしなくても改善している。組み入れ基準を途中で緩和していることの影響があったかは不明)
【*書き忘れ追記
やってもいない二重盲検を謳っていたりするこの論文を見て、この奥村先生の記事を思い出してました。
「ちょっと盛られた」臨床試験の気付き方
医学書院/週刊医学界新聞(第3246号 2017年10月30日)】
論文の結果に対する神戸薬科大学EBM同好会からの刺客からの評
「結果は有意な誤差に過ぎない」
おまけ
平社員先生より
RobotReviewer: Automating evidence synthesisで評価させると「non-RCT」と返されて評価してくれないとのことです。
この後、論文検索セッションでくわばら先生による「スマホで簡単、論文検索」が行われ、夜のワークショップへ
「カリー春雨」
という名前にひかれて、泡盛をロックで注文し、無事死亡しました。
そして、翌朝は安定の
……そして目覚めると全裸。
EBMな初日はこうして幕を閉じました。
広島までEBMな旅をしてきました① 第1回居酒屋抄読会in広島(2018/01/06)
仕事終わりに電車に飛び乗り、広島へ。
翌日から始まるEBM合宿に備え前入りしてきました。
で、20時半には着けてしまうわけですよ。
ならばと呼びかけて、居酒屋抄読会をしてきました~。
翌日、講師としての任務を控えているにもかかわらず、くわばら先生と平社員先生が駆けつけてくださいました‼
お二人ともありがとうございます‼
録音はこちらから
けいしゅけ先生がまとめていただきました~!
ありがとうございます
居酒屋抄読会in広島 聴いてみた~脳血管疾患の女性のカルシウム補給と認知症のリスク~ | けいしゅけの論文まとめ帖
で、お題論文はコチラ
Calcium supplementation and risk of dementia in women with cerebrovascular disease. - PubMed - NCBI
では、内容を見ていきましょう。
P:70~92歳の認知症のない女性700人(Sweden Population Registryより生年を指定して抽出された)
I:カルシウムサプリメントを摂取する
C:カルシウムサプリメントを摂取しない
*DSM-Ⅲ-Rとはアメリカ精神医学会による診断基準。現行がDSM-Ⅴなので古い基準ではある。以下は日本神経学会より参考資料
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_02.pdf
*指定された生年と組み入れ人数
1908年4名、1914年27名、1918年137名、1922年193名、1930年339名
結果は
認知症(全タイプ):オッズ比(OR)2.1、95%信頼区間(95%CI)1.01~4.37
脳卒中関連(VaD と mixed AD/VaD):OR4.4、95%CI 1.54~12.61
アルツハイマー型認知症(AD):OR0.66、95%CI 0.19~2.25
認知症の発症が増えるかもという結果でした。
ただ、スウェーデン発の観察研究としては参加人数が少なく、アウトカムの発生数もそれにしてがって少なくなるため、わずかな差が大きく見えてしまっているだけのような気がします。
また、補正についてもコントロールしたとはありますが、補正内容への言及はなくTable1の内容で補正していたとしても不十分さが残ります。(既往歴が脳卒中しかないなど)
会での結論は交絡を見ているだけではないか?探索的な研究だったのではないか?という感じになりました。
参加人数3人で、食べる時間がうまく取れず、なかなか鳥鍋が食べられないトラブルもありましたが、楽しい時間を過ごせたと思います。
翌日の準備が大変な最中、参加していただきました両先生にこの場を借りて感謝申し上げます。
ありがとうございました‼
11/19 居酒屋抄読会in東京、開催報告
去る11/19に東京駅近くの居酒屋で、東京では初めてとなる居酒屋抄読会を開催いたしました!
今回は、乙ありぃ先生、いっつん先生、たけちゃん先生に参加していただき、2017年に発表されたてのDOACのリアルワールドデータの論文を読みました!
お題論文はコチラ
(全文フリーではありませんが、動画内にて結果の解説がありますので、手ぶらでご視聴ください)
PMID: 28974629
配信の録音はこちらから
続き
韓国の保険診療データ(国民の97%が加入、毎年公表されている)
DOACがCHA 2 DS 2 -VAScスコア≧ 2でないと適応にならないため、ワーファリンを対照にプロペンティシティスコアで1:2になるようマッチさせて解析しているデータになります。なお、DOAC群の52%は減量用量で使用されています。
論文のPECO
P:CHA 2 DS 2 -VAScスコア≧ 2のAF患者のうち新規使用者(2014~2015)
E:DOAC(リバロキサバン5681名、ダビガトラン3741名、アピキサバン2189名)
C:ワーファリン(プロペンシティスコアでマッチさせた23222名)
O:①虚血性脳卒中②頭蓋内出血③全死亡
T:平均追跡期間1.2年(アピ0.4年、リバ0.5年、ダビ0.55年、ワーファリン1.5年)
結果
① HR0.98 95%CI:0.78~1.22
② HR0.50 95%CI:0.36~0.68
③ HR0.70 95%CI:0.59~0.81
④ ①+②+③(ネットクリニカルアウトカム)HR0.79 95%CI:0.65~0.94
研究の限界として、INRがわからない(TTR、HAS-BLED算出不能)、DOAC群の追跡期間の短さ(適応拡大で使用量が増えたのが2015.7以降の為)
話し合ったこと(一部抜粋)
1.重症度とDOACの値段の問題
自宅(使える)→回復期・老健(使えない)→在宅訪問診療(使える)→長期療養(使えない)と、重症度の上昇に応じて使えたり使えなかったりするというでたらめな制度設計(-_-;)
2.DOACが広がることで起きた臨床の場での変化
(乙先生によるキャス前の事前レクチャーより)頭蓋内出血が起きても、時間経過による血腫の拡大がDOACでは小さい。(下記は一例)
3.AF患者の入院期間の短縮ができる(ただし、制度設計の問題で薬価の都合による老健等の引受先がなくなる)
当日ご視聴いただいた皆様、ありがとうございます。
乙先生のレベルの高い解説を是非とも録音にてお楽しみください。
「ググレカス」から「ググってもカス」時代を生き抜くために ~るるーちゅ先生からご指名をいただきました~
今回の記事は、こちらで呼ばれたので書きます。
「ググってもカス」とは近年普通に検索をしても検索上位にはカス情報がならぶ惨状を黒の薬剤師会代表「るるー主」先生が皮肉ってつけた言葉である。
「惨状」と表現したが、現在の悲しい現状を報告した論文があるので紹介したい。
「体重減少」(いわゆるダイエット)について検索した時、どの程度まともなサイト(情報の正確さのほか見やすさも評価されている)が検索結果として帰ってきたかを調べたものである。
なお、以下に示したのは評価項目である。
で、結果はコチラ
こう
公的機関からの情報がブログに劣ると(-_-;)
広告サイトのなんと劣悪なことよ(-_-;)
で、どのくらいヒットしたのかというと
検索結果で見やすいところにくるサイトは信頼できないものが多いという結果でした。
上記論文は2014年のものですが、最近でも健康情報サイト「WELQ」が話題になり、この問題が解決に向かっているとはとても思えません。
テレビ・新聞を見ていないのですが、古くはフジテレビの「発掘!あるある大事典」でのダイエット情報の捏造で店頭から納豆がなくなったのは個人的には印象的でした。
最近では「ガッテン」で睡眠薬で血糖値を下げるなんてものもありました。
最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎 - NHK ガッテン!
「ググってもカス」とは言いつつ、公共電波に載ってくる情報にも盛大なKS(クソ)が盛り込まれているわけです。
放送側の知的レベルを心配させるこんな画像もありましたよね。
さらには「報道しない自由」で正しい情報が遮断されている事例もあります。
「本会は、将来、先進国の中で我が国に於いてのみ多くの女性が子宮頸がんで子宮を失ったり、命を落としたりするという不利益が、これ以上拡大しないよう、国が一刻も早くHPVワクチンの接種勧奨を再開することを強く求めます」という声明も、WHOの安全という勧告も検証するならまだしも黙殺する「自由」。
デマを飛ばすことを規制機関が「表現の自由」と取り違えているのではないかという不安すら感じる。
なお英国ではかつて「MMRワクチンで自閉症になる」という捏造論文を世に送り出した著者の医師免許をはく奪するという処分を下したが、日本ではそのような動きはない。(下記リンクは捏造論文へのリンク)
学会側が国民の健康に対して否定的に働く事例もあるという始末。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201708/552207.html
一方で大学や公的機関による医薬品の適正な処方や使用に向けた教育的介入の動きもある(情報を提供していただいた兵庫医療大学の清水先生に感謝)
Academic Detailingのための評価情報基盤疾患と医薬品情報|Academic Detailingについて
しかし、現状正確な情報に一般の方がたどり着くのは困難である。
いくら正確な情報を発信してもKS(クソ)情報の波に消されてしまいかねない。
ならば、正しい情報をもってKS情報を駆逐し、検索上位をとるしかない。
冒頭で紹介した運動はそういうものである。
ここまで記事を読まれた諸氏には、ぜひ本活動への理解と協力をお願いしたい。
以下は、本活動に参加を表明された先生方のブログであるので、ぜひご覧いただきたい。(なお、紹介順はテキトーなので、ご了承ください)
(ネーヤ先生のだけうまく貼れない:(;゙゚''ω゚''):)
あと、以下のサイトも近々参加予定です。
KS情報を駆逐し、清浄な世界を目指します!
と、いうわけでかの名言で締めたいと思います!
,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
゙、';|i,! 'i i"i, 、__人_从_人__/し、_人_入
`、||i |i i l|, 、_)
',||i }i | ;,〃,, _) 汚物は消毒だ~っ!!
.}.|||| | ! l-'~、ミ `)
,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
.{/゙'、}|||// .i| };;;ミ
Y,;- ー、 .i|,];;彡
iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
{ く;ァソ '';;,;'' ゙};;彡ミ
゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ _,,__
゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
;;;;;;;;''''/_ / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
''''' ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/
(あとがき)
こんなこともあろうかと、下調べとかしておいてよかった。
地域医療ジャーナルを購読しませんか?
またまた宣伝記事です。
そして個人的には値段設定が頭おかしいんじゃないか?(褒め言葉)と思うくらい安く質の高い医療情報を提供してくれるオンラインジャーナルです。
お値段なんと月額250円!
さっきの言葉訂正します。
頭おかしいわ!
で、今回の特集は冷酷なエビデンスです。
いかに薬の効果が小さいか、新薬として世に出たときは真の効果に夢や希望という名のメッキがついた状態で過大評価されています。
やがて、使用経験が蓄積されるとメッキがはがれ真の効果が姿を現します。
その小ささにときに失望するかもしれません。
あるいは見つけることができなかった有害事象によって、消えていくかもしれません。
そんなときEBMの実践をするものが、どう考え・どう悩み・どう行動するか見てみませんか。
求める答えが書いてあるわけではないですが、参考になると思います。
以下のリンクからどうぞ
で、このブログは僕が読んだ論文を秘めやかに記録する場ですので、もちろん論文を読みます。
やはり精神科病院に勤務するものとして、こちらの記事は必読でしょう。
はい、我らがAHEADMAP代表の桑原先生の記事ですね。
うつ病はメーカー主導の試験が多く、発表される試験の結果はスポンサーのメーカーの薬剤が強いとパキシル🄬(パロキセチン)なんかを中心にたたかれてきた歴史もあるわけです。
で、発表されていないネガティブな研究結果を集めると効果は想定より小さいと言われているわけですね。
(桑原先生の記事を楽しんでほしいので、記事の引用はしません)
今回はその記事の中からこちらを取り上げたいと思います。
ざっくり紹介すると、大うつ病患者にSSRIを使うのはプラセボと比べて17項目のハミルトンのうつ病評価尺度でみた効果に統計的有意差はあるけど臨床的有意差を示すほどの差はなく、重篤な有害事象はSSRIで多かったというものです。
どうしてこれを取り上げようかと思ったかというと、答えは上記リンク先にあります。
研究結果に異論がある場合、論文の投稿先にレターという形で疑義が投げかけられるのですが、この論文はPubmedのページにまで反論コメントがつけられています。
正直こんなにこってりコメントつけられた論文初めて見ました。(;´・ω・)
まあコメントは疑義でしょうから、普通に批判的吟味してたらわかるはず!と思って普通に本文を読むことにしました。
先ずは論文のPECO(臨床疑問の定式化)から
P:18歳以上の大うつ病患者に
E:SSRI(citaloplam、エスシタロプラム、セルトラリン、fluoxetine、パロキセチン、フルボキサミン)を投与すると
C:プラセボ、active placebo、何も介入しない場合と比べて
O:①うつ病の症状はどうなるか?(ハミルトン評価尺度17項目と21項目、 Montgomery-Asberg Depression Rating Scale、 Beck’s Depression Inventory)
②緩解率は?
③有害事象は?
なんか。もうつっこみポイントが出ましたね(;´・ω・)
なんでプラセボとの比較を謳っている研究で比較に「no-intervention(何も介入しない」が入ってくるのかと。で、active placeboは具体的に何なのか説明はないっす。でも、結果的にプラセボ以外は見つからなったとのことなのでセーフ。(いいのか?)
先にネタバレしますが、アウトカムの英字は方法の中には出てきますが、これ以降本文中で触れられることはありませんので、安心して無視してください。
*一応尺度について簡単に解説
・ハミルトン評価尺度(HDRS)→HAM-Dとも。うつ病の重症度の推移を見るのに使う。17項目は重症度評価で21項目は先の17項目に性状4項目を加えたもの。うつ病の診断に使われる項目が網羅されていない、うつ病の評価に必要ない余計な項目があるなどの理由で使うべきでないという批判があります。
・ Montgomery-Asberg Depression Rating Scale→略記MADRS。うつ病患者でよくみられる症状のうち三環系抗うつ薬に反応しやすい症状10項目で作成された。HDRSと違い身体症状は評価されない。
・Beck’s Depression Inventory→略記BDI。重症度評価やスクリーニングに使う自己評価尺度。0~63点満点で評価。29点以上で重症。
入口でいきなり足払い食らった気分ですが、本丸はPubmedにくっついてたコメントで紹介されていたレター論文ですので、サクッと済ませていきます。
検索したデータベース: CENTRAL, PubMed, EMBASE, PsychLIT, PsycINFO, clinicaltrials.gov., Science Citation Index Expanded。他にFDA、EMA、製薬企業のサイト
評価者バイアス:13名がペアを組んで独立して評価。意見対立は第三者仲介。(13人でペアって、ぼっちでるやん)
出版バイアス:記載がなく著者に連絡を取ったかどうかなどは不明。事前登録情報を見ると検索は英語のみの模様。
http://www.crd.york.ac.uk/PROSPERO/display_record.asp?ID=CRD42013004420
一応、対称っぽい感じではある。
元論文バイアス:ここだけコクランハンドブック準拠。(スポンサーバイアスが赤一色であることを示したかっただけに見える)
結果を一目で評価できるSummary of findings tableはなぜかAppendixに追いやられている。(結果を隠す研究ってやる意味あるのですかね?)
Summary of findings table |
||||||||||||||||||||||
|
Risk with placebo |
Risk with SSRIs |
Relative effect |
№ of participants |
Quality of the evidence |
Comments |
||||||||||||||||
Hamilton Depression Rating Scale (HDRS) |
- |
- |
The mean HDRS score at end of treatment in the SSRI group was 1.94 (2.50 to -1.3) HDRS points lower than the placebo group |
10,464 (49 trials) |
⊕⊕⊝⊝ Very low |
Trial sequential analysis showed that the boundary for harm was crossed |
||||||||||||||||
Serious adverse events |
22 per 1,000 |
31 (25 to 40) per 1,000 |
OR 1.37 (1.08 to 1.75) |
13,299 (44 trials) |
⊕⊕⊝⊝ Very low |
Trial sequential analysis showed that the boundary for harm was crossed
|
||||||||||||||||
No remission |
746 per 1,000 |
657 (642 to 679) per 1,000 |
RR 0.88 (0.84 to 0.91) |
4214 (34 trials) |
⊕⊕⊝⊝ Very low |
Trial sequential analysis showed that the boundary for benefit was crossed
|
*The risk in the intervention group (and its 95% confidence interval) is based on the observed risk in the comparison group and the relative effect of the intervention (and its 95% CI). |
GRADE Working Group grades of evidence |
HDRS(17項目) 平均差 −1.94 points; 95% CI −2.50 to −1.37(49試験)I 2 = 75%(異質性:高)
緩解 RR 0.88; 95% CI 0.84 to 0.91 I 2 = 36%(著者は異質性はないと評価。えっ?)
重篤な有害事象(SAEと略す。死亡、機能障害、入院を評価) OR 1.37; 95% CI 1.08 to 1.75(異質性の評価はなし)
HDRSの17項目で3点差が臨床的に優位な差とされているとのことで、著者の結論は「統計的有意差はあるけど臨床的有意差を示すほどの差はなく、重篤な有害事象はSSRIで多かった」となっているわけです。
ツッコミがちょいちょい入りましたが、精神科薬剤師としては未熟な雑魚薬剤師視点でこんなもんです。
ここからは、レターで寄せられたツッコミを見ましょう。
本文の内容をざっくり紹介します。(ご自身で是非ご覧ください、ツッコミがすさまじくて笑えます)
①SAEカウントの際の分母がおかしい(少なくカウントされている=SAEを過大評価)
②SAEカウントの際の分子がおかしい(少なくカウントされている=SAEを過小評価)
③SAEの全データが追えていない。(少なくカウントしている。分子より分母の影響が大きい=SAEを過大評価している)
④有害事象による入院にアルコールや薬物依存による治療の入院がカウントされている
⑤そもそもSAEの定義がおかしい
⑥RevManで解析しても再現できず、解析方法が間違っているか解析方法が本文記載の方法で行われていない
などなど(一部ツッコミは省いています)
ここまではナンバリングして突っ込んでますが、まだツッコミは続きます。
・統計処理時の重みづけが間違っている
・データ解析時にすべてのデータを解析に含んでいない
・そもそも拾うべき重要論文が除外されている
・HDRSはSSRIの効果を過小評価する欠点を内包した評価尺度
で、レター論文の著者は訂正をするよう求めています。
はい、訂正記事出ました。
リファレンスがちょこっと訂正( ^ω^)・・・
そこじゃねぇ!(# ゚Д゚)
しかも間違い方がSSRIの効果を過小に、有害事象を多くする方向で一貫して間違ってるし。
もはや捏造臭しかしない。(以下、捏造だったと仮定して書きます)
で、ここまでイカれた報告を出した著者がどんな人物か興味がわくわけですよ。
日本の内〇聡とかみたいな人物像が浮かんできます。
で、調べた結果がこちら
https://www.researchgate.net/profile/Janus_Jakobsen2
心臓病が専門(-_-;)
で、シーケンス分析もしていると。
お題論文にあった「Trial Sequential Analysis」をやることが目的だったと。
で、評判を高めるためにインパクトの出るようにアレコレやったわけね。
端から読む価値のない論文だったと
で、これがメディアに出て治療機会を失う患者さんが出てくると
ふざけんな!
と、ここまで書いて、「冷酷なエビデンス」が牙をむいたのは患者さんではなく著者になったと。
しかし、被害者は患者さんですよ。
これは冷酷ではなく残酷ですね。
コレだけ大大と反論が出ているのを桑原先生が見逃すはずもなく
この論文が取り上た意図は、「原著をきちんと確認しろ、自分の目と頭で評価しろ」ということでしょう。
で、こんな盛大な伏線もりもりで月額250円ですよ。
頭おかしい(褒め言葉)と思いませんか?
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では今日はこの辺で
おやすみなさい。(現在、10/7の0:47 土曜も出勤なのに)