窓際さんのお勉強な日々

こそっと論文読んで、こそっとメモ

最近更新さぼってました(;^ω^)

書きたいネタはあれども、気持ちがついてこない日々。

皆様、お久しぶりです。

今日は、たまたまみた日本病院薬剤師会の雑誌にSTROBE声明についてコラムがあったので、ちょっと読んでみました。

 

STROBE声明とは、観察研究報告の質を高める目的で開発されたもので、研究者が研究の質を高めるために使用するほか、読者がその論文の質を評価するのにも使えます。

 

リンクは以下から

STROBE Statement: Translations

日本語バージョンが用意されています。

http://www.strobe-statement.org/fileadmin/Strobe/uploads/translations/STROBE-Japanese.pdf

 

STROBE声明は観察研究を対象としたもので、他にはランダム化比較試験を対象としたCONSORT声明(Consort - Welcome to the CONSORT Website)やシステマティックレビューを対象としたPRISMA声明(PRISMA)、診断精度研究を対象としたSTARD声明(http://www.stard-statement.org/)などがあります。

 

なお、各声明のチェックリストの簡便なものは、JJCLIPで使用されている青島先生作成の論文を10分で読むシートがオススメです。書籍版なら以下がオススメです。

薬剤師のための医学論文活用ガイド〜エビデンスを探して読んで行動するために必要なこと〜 | 薬剤師のジャーナルクラブ |本 | 通販 | Amazon

 

 

STROBE声明は「タイトル・抄録」1項目、「はじめに」2項目、「方法」9項目、「結果」5項目、「考察」4項目、「その他(資金源)」1項目の計22項目からなっています。

 

観察研究ではコホート研究、ケース・コントロール研究、横断研究があり、個別のチェックリストが公開されています。STROBE Statement: Available checklists

 

大まかな内容

「タイトル・抄録」では、研究デザインの明示。

「はじめに」では研究仮説の明示。

「方法」では適格基準、期間、交絡因子、サンプルサイズ、解析手法、欠落データの取り扱いの明示。

「結果」では調整前後の推定値の提示と、調整した交絡因子の説明、相互作用分析や感度分析をしていたらその結果の明示。

「考察」では、研究の限界、外的妥当性への言及。

 

日頃考察あんまり読まないから、考察にも規定があったのねと今更気づくなど(;^ω^)

いやいや、お恥ずかしい限り

 

 

 

 

新年あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

新年最初の記事は、熊本温泉抄読会のおさらいで行きたいと思います。

本来であれば、旧年中に済ますべきものだったのですが、気力がわかず(;^ω^)

 

抄読会の案内は以下のリンクからお願いします。

12/29(木)熊本温泉抄読会配信のご案内 - pharm-niiyan’s diary

にいやん先生、いつもありがとうございます。

そして、抄読会の録音は以下のリンクからお願いします。

後半は酔ったおっさんが管を巻いているだけという(;^ω^)

熊本温泉抄読会 - TwitCasting

 

温泉抄読会 仮想症例シナリオの作成を担当させていただきました。

読み返すとなかなか恥ずかしいものでして。 

 

【不眠で悩む母】

 

貴方は保険薬局に勤務する薬剤師です。

 

年末のあわただしい仕事が終わり、年末年始の休暇。

実家での年越しのため久々の帰省をした貴方。

 

晩御飯も終わり、テレビを見ながらくつろいでいると、

 

母「最近寒くて、なかなか寝付けなくてねぇ。暖房は効かせてるし、テレビでいいって言ってた湯たんぽも使ってるんだけどねぇ。寒さで朝も早く目が覚めるし。年のせいって言ってももっとしっかり眠りたいの」

 

あなた「昼間に眠気がなくて、生活に支障なければいいんじゃない」

 

母「そうじゃなくて!寝付けなくて布団にもぐっているだけの時間が嫌なのよ。お薬に頼るのも週刊誌にあったみたいにぼけたら怖いし。この間テレビで足湯がいいって言ってたけど、足湯なら薬も使わないしいいと思うんだけど。あなたはどう思う?」

 

あなた「今なら時間あるし、調べてみるわ。待ってて」

 

(結局、健康番組の情報かよ)と思いながら、pubmedで「footbath sleep」と入力して「free full text」に限定して検索してみました。Clinical Queriesではめぼしい論文がヒットしなかったため、https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedの検索窓で「footbath sleep」で検索してみたところ以下の論文が足湯と冬の睡眠について研究していたため、「これだ!」とばかりに読んでみることにしました。

 

Effects of bathing and hot footbath on sleep in winter.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/10979246/

PMID:10979246

 

以下、母の情報

【年齢】

63歳

【現病歴】

糖尿病、高血圧、脂質異常症、便秘症

【喫煙】

 なし

【飲酒】

 機会飲酒

【服用中の薬剤】

メトホルミン250mg 1回2錠 1日3回 毎食後

シタグリプチン50mg 1回1錠 1日1回 朝食後

アムロジピン5mg 1回1錠 1日1回 朝食後

トリクロルメチアジド2mg 1回1錠 1日1回 朝食後

ロスバスタチン5mg 1回1錠 1日1回 朝食後

酸化マグネシウム330mg 1回1錠 1日3回 毎食後

【服用中のサプリメント】(  )内は母の服用目的のうち聴取できたもの

 チアシード(ダイエット)、エゴマ油(血管がどうとか?)

 

お題論文へ至った検索も載せていますので、参考になれば幸いです。

 

論文の内容は

P:9人の健康なボランティア(女性、学生8人、教員1名で21~40歳)

E1:入浴(40℃、20分、肩までつかる)

E2:足湯(42℃、30分、膝まで)

C:何もしない

O:睡眠の特徴、体温、体動、睡眠感で評価(アウトカムが多すぎるのでいかに抜粋)

 総睡眠時間→E1:398.06分、E2:393.83分、C:379.39分

 入眠までの時間→E1:11.22分、E2:15.5分、C:29.39分(E1E2はCに対して有意差あり)

 直腸温→E1:36.5度以上で推移。他2群より約1℃高く、有意差あり

 皮膚温→入床30分はC群で有意に低いが、その後は差なし

 体動→入床30分はC群で有意に多いが、その後は概ね差なし

 睡眠感(OSAで評価)→E群で改善。

 

※OSAとは、小栗 貢・白川修一郎・阿住一雄 1985 OSA睡眠調査票の開発 -睡眠感評定のための統計的尺度構成と標準化- 精神医学, 27, 791-799.で報告された起床時の睡眠内省を評価する心理尺度。自記式睡眠調査票。第 1 因子が起床時眠気、第 2 因子が入眠と睡眠維持、第 3 因子が夢み、第 4 因子が疲労回復、第 5 因子が睡眠時間の 5 因子、計 16 項目から構成。5因子とも各 50 点とし、得点の極性は、睡眠感が良好なほど高得点となる。

 

 Oが多すぎて、どれかしら有意差つくやろって内容。まあ医学論文ではないので、構成がやや異なるのも致し方ないかと。

研究室単位で行われた研究なので、年齢は若いのでシナリオにそのまま適応はできないが、まあやって問題ないかと。

 それより、おしりに直腸温を測定するのを12cmまで挿入しながら寝るのってきついなぁ。よくやったな。

 それから、この論文を出した九州芸術工科大学って、この論文の発表の3年後に九州大学に吸収合併されたのね。下手なギャグみたいだ(;^ω^)

 

新年早々、旧年中の抄読会のおさらいにお付き合いいただきありがとうございました。

本年もよろしくお願いいたします。

 

 

 

まだ熊本温泉抄読会行きの荷造りしてないんですが(;^ω^)

お久しぶりです。

 

前回の記事ではビラスチンをいつの間にかビスラチンって誤入力する程度には力尽きてました。

 

今日、メーカーさんからビラスチンのネットワークメタ解析っぽいグラフは社内資料で論文化はされていないとのお返事をいただきました。

知りうる検索データベース全部当たっても見つからないわけだと納得しながらの帰宅。

 

そういえば、別の会社から新しい(と、言っても海外発売済み)の抗ヒスタミン薬が開発中と聞いて、開発状況を探ってみました。

僕が開発中の新薬の状況を探るのに使ってるサイトは

開発中の新薬|新薬・治験情報|日本製薬工業協会

です。

ちょっと更新の古いメーカーもありますが(;^ω^)

ちなみに、各メーカーサイトの「株主の皆様へ」から新薬の開発状況のリンクたどる方が情報まとまっててお薦めです。

 

で、適当に漁っていたら、某GSK社がザナミビルの注射剤を開発中であることを知りました(今更ですが)

情報も古めだったので、そろそろ第三相臨床試験も終わったかなぁと、治験参加者募集サイトをのぞいてみたら、まだ応募が締め切られていないだとΣ(・□・;)

GR121167(ザナミビル)注射液の入院治療を必要とするインフルエンザ感染症患者に対する臨床評価(NAI115215試験)-多施設オープンラベル試験-|関連する治験情報【臨床研究情報ポータルサイト】

ちなみに試験の概要もリンク貼っときます。

臨床試験概要詳細画面|一般財団法人日本医薬情報センター 臨床試験情報

なんとなくザナミビルの注射剤の論文が読みたい気分が盛り上がったままなので、第二相臨床試験読んで見ることにしました。

Safety and pharmacokinetics of intravenous zanamivir treatment in hospitalized adults with influenza: an open-label, multicenter, single-arm, phase... - PubMed - NCBI

 

P:18歳以上の重症もしくは進行性のインフルエンザ確定患者、経口・吸入治療が受けられない、発症から7日以内。(登録情報では6か月齢以上で参加可能なんだけど)

 除外基準:ベースラインから48時間を超えて生存する見込みのない者、心疾患、肝障害、妊婦など(多いので詳しくは以下でご確認ください)

Safety Study to Assess IV Zanamivir for Treatment of Influenza Infection in Patients Who Are in Hospital - Tabular View - ClinicalTrials.gov

E:ザナミビル600mg 1日2回5日間(腎機能に応じて維持量調節、症状に応じ追加で5日間投与可)

C:(単一アームによる安全性調査なので、対照群は設定されていない)

O:最終投与から23日後までのDAIDS toxicity scale(論文では下記リンクが記載されているが、更新に伴いリンク切れしているので、↓したリンクを参照してください)で分類した有害事象。重篤なものは細菌性肺炎(8%)、呼吸不全(7%)、敗血症または敗血症性ショック(5%)および心原性ショック(5%)だった。

https://www.niaid.nih.gov/labsandresources/resources/daidsclinrsrch/documents/daidsaegradingtable.pdf

Grading Tables

なお、全原因死亡は参加者の20%。なお、論文中に出ている未治療での予想死亡率は42%とあって、記事がソースとして提示されているが、こちらもリンク切れ(;^ω^)

 

第二相臨床試験は安全性と薬物動態のデータをとるのが目的なので、効果面はよくわからないという(;^ω^)

どうせなら、ラピアクタとのガチンコバトル希望。

 

グダグダですが、ここらで今回の記事は終了です。

本気で荷物用意しないとマズい!

ビラスチンの弁当会(勉強会に餌付け用の弁当がついてるやつ)に行きまして(;^ω^)

医療従事者の皆さん、弁当会好きですか?

僕は嫌いです。

タイトルにした餌付け感がとかいう意識の高い理由ではなく、そもそも冷めたご飯が嫌いなので弁当全般があまり好きでないという理由からです。

 

メーカーのプレゼンを聞いていると、ネットワークメタ解析で見られる有効性と安全性の順位に基づいたグラフを提示していたので、探してみました。

 

・・・見つからなかったです(´;ω;`)

そもそもメタ解析なんてされてないじゃん!

オリジナルなの?見えなかったけど引用文献書いてあったように見えたけど。

 

仕方ないので、アレルギー性鼻炎の情報を集めときます。(蕁麻疹はそのうちやります)

すでに論文を読んで記事にされているブログは多数あるので、リンクは貼ってませんがそちらをご参照ください。「ビラスチン」でぐぐればすぐにでますので。

 

もう市販されているわけですし、販売時点でのレビューは個人的にですが承認時審査資料を見るようにしています。ボリュームはともかく、日本語ですのでオススメです。

医療用医薬品 情報検索 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

で「ビラスチン」と検索。下の審査資料のチェックを入れるのを忘れずに。

そうすると、

http://www.pmda.go.jp/drugs/2016/P20161025003/index.html

が出てきます。

 

先ずは、第二相臨床試験から(minimal先生のブログの一つ目の論文ですね。インタビューフォームに日本語あります。)

Therapeutic effect of bilastine in Japanese cedar pollinosis using an artificial exposure chamber (OHIO Chamber). - PubMed - NCBI

論文の内容と結果は

P(対象者):20-60歳のスギ花粉症の患者で2年以上症状があって、花粉の飛散する時期に治療を受けている血清IgE陽性の者126名。

(除外:重症全身性疾患、副鼻腔炎などの鼻症状の評価に支障をきたす障害、試験開始前に次の治療を受けていた者ステロイド注射(180日)経口もしくは局所ステロイド(90日)P-糖タンパク阻害作用を有する薬物(90日)、妊婦・授乳婦、気管支喘息、花粉曝露開始後4時間での鼻汁量が2g以下、投与前に総合鼻症状スコア(TNSS、0~16点)が2点以上改善したもの)

E1(介入1):ビスラチン10mg→(12時間後)プラセボ

E2(介入2):ビスラチン20mg→(12時間後)プラセボ

C1(対照):プラセボ→(12時間後)プラセボ

C2(陽性対照):フェキソフェナジン60mg→(12時間後)フェキソフェナジン60mg

O:1回目の治験薬投与後0~3時間後のTNSSの合計(per protocol setで解析。13評価時点なので最重症の最高得点は208点?)

プラセボ85.0±31.1、フェキソフェナジン73.3̟̟±26.0、ビスラチン10mg69.7±26.7、ビスラチン20mg67.7±28.4(プラセボに対して各群で有意差あり。ビスラチン20mgとフェキソフェナジン群の間にも有意差あり)

f:id:zuratomo4:20161223154614p:plain

(IFより試験概要。クロスオーバー試験)

プラセボに対する優越性を見る試験なので、フェキソフェナジン群はあくまで参考。有意差がついたといってもビスラチン20mgのほうがフェキソフェナジンより良いかもレベル。(試験登録番号JapicCTI-132213)

 

お次は第三相臨床試験スギ花粉症(季節性)から通年性アレルギー性鼻炎に対象が変更になっていますが、なんでだろう?

Efficacy and safety of bilastine in Japanese patients with perennial allergic rhinitis: A multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled... - PubMed - NCBI

試験デザイン:ランダム化二重盲検並行群間比較試験(ダブルダミー)、プラセボ優越性試験。ランダム化に層別最小化法を用いているので未知の交絡因子には弱い。

P:18~74歳の2年以上症状のある通年性アレルギー性鼻炎の患者765名。試験開始前のTNSSの合計が16~45点。期間中のTNSSの記録記入と服薬が80%以上あること

(除外:第二相のものに加えて、登録後からランダム化までの間にTNSSが40%以上改善。通常の抗ヒスタミン薬の治療に反応しなかった者、試験開始前の7日間で、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン剤、抗コリン作用薬、鼻/眼血管収縮薬、非処方薬、または水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウム薬を服用)

E:ビスラチン20mg 1日1回朝

C1:プラセボ 1日2回

C2:フェキソフェナジン60mg 1日2回(あくまで参考)

O:試験開始10~13日でのベースラインからのTNSSの平均変化量(Full Analysis Setで解析、追跡率97%以上)

プラセボ-0.63(-0.84〜-0.42)、ビスラチン-0.98(-1.19〜-0.77)フェキソフェナジン-0.96(-1.17〜-0.75)でプラセボに対してビスラチン、フェキソフェナジンで有意差あり

 

 

ここまで読んで、フェキソフェナジンで良くないか?フェキソフェナジンが効かないならビスラチン試す価値はあるかも?くらいにしか思えないんだけど。

(弁当会では効果の強さと速効性をアピールしてたけど、どちらも差がないし)

 

参考までに海外での第三相臨床試験も載せときます(2つあるうちの無料で全文読める方)

Comparison of the efficacy and safety of bilastine 20 mg vs desloratadine 5 mg in seasonal allergic rhinitis patients. - PubMed - NCBI

対象疾患:季節性アレルギー性鼻炎

試験デザイン:ランダム化二重盲検並行群間比較試験

P:12~70歳の2年以上症状のある季節性アレルギー性鼻炎の患者721名。

(除外:副鼻腔炎などの鼻症状の評価に支障をきたす障害、過去3か月以内に他の臨床試験に参加していた

E:ビスラチン20mg

C1:プラセボ

C2:デスロラタジン5mg

(外観を似せるためにカプセルに錠剤入れた?)

O:day0~14の全症状スコア(鼻4項目0~3点+鼻以外のスコア7項目0~3点の合計)の曲線下面積(AUC)vsプラセボ、デスロラタジン

プラセボ118.4(SE:62.7)95%CI[110.5-126.3]、ビラスチン98.4(58.1)[90.9-105.9]、デスロラタジン100.5(54.6)[93.6-107.4]

プラセボに対して有意差あり。

 

5α還元酵素阻害剤の安全性について

ブログの開設方法をググってたら、いつの間にか開設済んでた件

 

はじめまして。

人生初のブログが自分でもわけわからんうちに始まってしまいました(;^ω^)

グーグル先生仕事早すぎw

運営方針も取り上げる記事も決まらないままの開始でしたので、何を書くか考えたのですが決まりませんw

仕方なくTwitterでzuratomoの名前で生息しているので髪の毛関連の論文で初めて行きたいと思います。

 

早速ですが、お題論文は以下になります。

Adverse Effects and Safety of 5-alpha Reductase Inhibitors (Finasteride, Dutasteride): A Systematic Review. - PubMed - NCBI

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27672412

PMID:27672412

 

5α還元酵素阻害剤の安全性についてのシステマティックレビューですね。

論文の内容を簡単に定式化すると、

P(患者):ヒト被験者に

E(曝露):5α還元酵素阻害剤を服用すると

C(対照):服用しない場合と比べて

O(結果):前立腺がん、精神的影響、性機能への影響、女性への使用の4つを検証。

①前立腺がん・・・PCPT研究によると、生検による前立腺がんの診断でフィナステリドはプラセボに対して優位に減少させた。(リスク比RR:0.70、95%信頼区間95%CI:0.65~0.76)かわりにグリーソンスコアで悪性度の高いがんが増えた(RR:1.17、95%CI:1.0~1.37)なお、18年のフォローアップで死亡率に差はなかった。

②精神的影響・・・5α還元酵素阻害剤の使用とうつ病の間の関連は認められないが少数れの報告がある。Altmareの報告では中等度~重症のうつ症状を呈した場合、治療の中止で回復した。Rahimiの報告では、BDI(ベック抑うつ評価尺度。63点満点。21点以上で抑うつ)が12.11±0.75→12.80±7.64とHADS(抑うつと不安に関する精神的状況を計測する尺度。自記式。21点満点。高得点ほど抑うつ・不安が強い。7点以下問題なし)4.04±2.52→4.61±3.19とp値<0.05で悪化。

③性機能への影響・・・0.9~38%と報告。(勃起不全、射精障害、性欲減退)

④女性への使用・・・長期試験なし。頭痛、胃腸の不快感、性欲減退が主な有害事象。

 

と、結果を並べてみました。

ちなみに、これシステマティックレビューですが、メタ解析ではありません。

拙いながら、批判的吟味を以下で行いたいと思います。

 

ステマティックレビューで大事なのは、いかに研究を集めてくるかにかかってきます。

この論文では、1990~2015.11までの人を対象にした論文を Medline, Ovid, and Google scholarから探してきたことと参考文献に当たったことがmethodsに書いてあります。

本当は2人以上の独立したレビュアーで探していてほしいのですが、記載はありません。ついでに検索言語の制限もわかりません(;^ω^)

検索したデータベースもCENTRALやEMBASEといったメジャーどころがなく、網羅的に検索できているのか疑問です。

メタ解析でもないので、個々の論文を読んだ方がよさそうです。

 

時々、更新していこうと思いますので、今後ともお付き合いいただけたら幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。