阪調勉強会に潜入した件
3月の某日、阪神調剤薬局で開催されたEBM研修会に参加してきました。
(流石はソクラテス先生の薬局を買収しただけのことはある)
で、会場は写真の本社ビルではなくて、近くにある別館(研修・会議棟らしい。本館と同じく綺麗)
中に入ると日曜日にもかかわらずスーツ姿の皆様!私服で行ってごめんなさい
スタートは高垣先生による高血圧の歴史。まとめると、
降圧を通じて、人類は臨床試験を究めていく
でした。
仮想症例のPICO立てをした後、お題論文へ
PMID: 26724178
http://www.thelancet.com/pdfs/journals/lancet/PIIS0140-6736(15)01225-8.pdf
チェックシートは以下のものを使用
http://spell.umin.jp/BTS_SR5.0.pdf
無料でEBMを学ぶなら、上記の南郷先生のHPとJJCLIPのツイキャス視聴がオススメです。JJCLIPは今度の日曜日に開催ですので、日曜21時から聞けそうなら是非お試しください!
では、お題論文のPICOから
P:降圧薬を使っている人(高血圧以外もオッケー)
I/C:降圧薬
O:心血管イベント
abstractがとにかく読みにくい。
PICOがたったら、システマティックレビューの評価へ
先ずは集める努力を評価。
データベース:MEDLINE(大規模だから?SRとしては残念な感じ)
検索語:高血圧、各薬剤クラスの名前、各薬剤名
検索期間:1966.1.1~2015.7.7
集めた研究の種類:RCT(各試験群で少なくとも1000患者年のもの)
参考文献(reference list):〇
専門家連絡:×
研究の重複は除かれている(Fig1より)
言語:制限なし
実際にきちんと集まったかを評価でfunnnel plotを使うのが一般的だけど、今回はなし。
大規模の研究のみを集めたのでやる意味がなかった?
集まった研究の評価は2者独立、もめたら第三者が介入。評価はthe Cochrane risk of bias tool
異質性「We characterised heterogeneity with the I2 statistic.」
統合 「fixed-effects meta-analyses because heterogeneity was low」
I2が低いと言ってるけど25~41%の異質性。素直にRandom effects model使えばいいのに
結果、収縮期血圧の10mmHg低下毎に
主要心血管疾患(RR 0,80,95%CI 0.77-0.83)
冠状動脈性心疾患(0.83、0.78-0.88 )
脳卒中(0.73、0.68-0.77)
心不全 (0.72, 0.67–0.78)
全原因死亡 (0.87, 0.84–0.91)
以上、血圧下げるの大事と。
薬物クラスごとの結果もあったので見てみる。
β遮断薬は、主要心血管疾患(RR1.17,95%CI1.11-1.24)、脳卒中(1.24,1.14-1.35)、腎不全(1.19,1.5-1.34)でかえって悪くするという現行のガイドラインで第一選択から外されたことを支持する結果。
CCBは、脳卒中予防(0.90、0.85-0.95)よりも優れていたが、心不全予防(1.17,1 .11- 1.24)では劣っていた。
利尿薬は、心不全予防で他のクラスより優れていた(0.81,0.75-0.88)
仮想症例への適用を考えつつ、パンフレット作製。
帰りにけいしゅけ先生とサシのみして帰還。
楽しい一日でした。
で、会場で高垣先生とけいしゅけ先生からアドバイスをもらってNMAチェックシートを改良。
是非ご活用ください!