2019.2.23居酒屋抄読会in大都会、開催報告
<はじめに>
2/24にCASP岡山が開催されるので、前夜祭として岡山駅近くの居酒屋で居酒屋抄読会を開催しましたので、今回は開催報告になります。
<お題論文>
PMID: 25786075
<ツイキャス録音>
居酒屋抄読会in大都会1 - もちもちおもち(zuratomo) (@zuratomo4) - TwitCasting
居酒屋抄読会in大都会2 - もちもちおもち(zuratomo) (@zuratomo4) - TwitCasting
<読んでみる>
試験デザイン:症例対照研究(藤原先生よりコホート臭くね?という指摘)
P:65歳以上の認知症患者(退役軍人)
E:抗精神病薬(ハロペリドール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン)、
C:非使用
O:180日後の死亡
調整された交絡因子:性別、年齢、婚姻歴、疾患(うつ、統合失調症、双極性障害、薬物乱用、PTSD、パーソナリティ障害、心筋梗塞、心不全、脳血管疾患、COPD、リウマチ、消化性潰瘍、肝硬変、糖尿病、CKD、がん…など)ベンゾ系薬剤、オピオイド、入院日数、ナーシングホーム入居日数、提携機関など
※せん妄は除外されている
Table2より結果(死亡のリスク差とNNH)
ハロペリドール 3.8(1.0~6.6) 26(15~99)
オランザピン 2.5(0.3~4.7) 40(21~312)
クエチアピン 2.0(0.7~3.3) 50(30~150)
リスペリドン 3.7(2.2~5.3) 27(19~46)
バルプロ酸 4.1(-1.0~9.2) NA
抗うつ薬 0.6(0.3~0.9) 166(107~162)
<まとめ>
認知症に抗精神病薬を使うことで死亡リスクが上がることは知られた事実だが、本研究では死にすぎ(死亡数多い)のような。
BPSDへの対応困難でやむなく使われているので、認知症に抗精神病薬を使うことができなくなるといろいろ困ることに。
リスクの程度を見積もる際の参考くらいにはなるかなぁ。
なお、翌日のCASPと対象疾患が被ったのは偶然です。